INDIA: NEW DELHI - GOA
●ニューデリー→ゴア●

DAY 4
12/18/2003

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■今回の旅のハイライト、ビーチリゾート、ゴア3泊4日の旅へ

「いくらインドに行くからって、ずっと家族と過ごすわけじゃないから。できるだけ自由行動ができるようにするよ」

旅の前に、確かにそう言っていたA男。そんな言葉を信じた私も、思えば愚か者だ。たかだか半年前に、苦悩の「1カ月同居」を経験したはずだったのに、喉元過ぎれば熱さ忘れるにもほどがある。

ニューデリーでは結局、ほぼ毎日、長時間、A男家族と密着であった。だからこそ、家族から解放される3泊4日のこのゴア旅行こそが、真に、久しぶりの、私にとっての「バケーション」なのである。

いつものように起床後、ヨガをやり、朝食をとり、10時半頃、空港へ向かう。空港へ向かうのは私たちだけではない。ロメイシュとウマもまた、同じ時刻の、ボンベイ行きの便に乗る。

彼らは3泊4日、ボンベイの友人宅を訪れたあと、スジャータとラグバンの住むバンガロールで我々と合流することになっているのだ。

そもそも、私たちが旅の計画を立てたとき、まさかバンガロールにまでロメイシュたちがやってくるとは思っていなかった。

だから、その事実を知ったときには、最早ぐうの音も出なかった。

そういうわけで、ともかく大切な、これから3泊4日のゴアなのである。

ゴアへはエア・サハラという国内線を利用する。便は1時間近く出発が遅れたものの、約3時間、快適な旅であった。何より感動したのは、機内食のおいしさである。

私はベジタリアン、A男はノンベジタリアンを頼んでみたが、わたしの料理はダル(豆のカレー)とカッテージチーズ(豆腐のような見た目。サイコロ状)のカレーがライスの両側に盛り付けられたもの、A男はダルとチキンカレーだった。

付け合わせの野菜も新鮮で、ロティも非常にいける。ちなみにインドのトマトやタマネギ、そしてライムはとてもおいしいのだ。

さらに感動したのが、食後に出されたアイスクリームのおいしさ。バスキン・ロビンズの「ハニー・ナッツ・クラッシュ」。牛乳がいいせいか、濃厚でクリーミーで、カロリーが高そうだけどともかくおいしい。中のナッツも香ばしくて、これまたおいしい。

機内食でこんなに感動するのは滅多にないことである。まあ、そもそも期待していなかった上に空腹だったせいもあろうが、おいしかった。

ちなみに、インドの国内線は、物価に比して料金が非常に高い。先進国並みの値段なので、これくらいのサービスは当然と言えば当然かもしれない。

加えて言えば、外国人は更にインド人よりも高い料金を払わねばならない。しかし、今回の旅を通して言えば、その割高率は一定ではなく、路線によって値段が異なっていた。

飛行機に乗る予算のない人たちは、もっぱら国内は長距離列車での移動らしいが、猛烈に時間がかかるようだ。

もちろん車でも移動できるが、ハイウエイが整っているわけでもなく、これまた時間がかかるようだ。

機内ではインドの新聞を読んだり英語旅日記を書いたりしていた。昨日、A男が人と会ったあと、わたしたちは自分たちの少し遠い将来について、軽く話し合った。そのことを軽く日記に書いた。

最後の行に、「私の人生は、大海に浮かぶ小舟のようである」と、ありきたりな表現ではあるが本音を綴った。それを読んだA男。

「あ! またミホがポエムなこと書いてる! カワイイ!」

その軽薄でお門違いな反応にむっとする。私はA男と付き合い始めた当初、ちょいと魔が差して「詩的なラブレター」を贈ったことがある。まだA男の「人となり」をよくしらなかったからこその愚行とも言えよう。

その印象が強かったようで、私がたまに、情緒のある表現をすると、「ミホはポエム!」とか「歌舞伎!(感情を誇張しているからか?)」などと言って「笑う」のである。悲しいものである。

■なんて爽やかな南国の風! ヤシの木が揺れる。夕日が沈む。

ゴアは、インドの南西部にある海辺の地。1510年のポルトガルの艦隊に占領されて以来、ポルトガルの東方進出の拠点として栄えてきた場所だ。

黄金のゴアと呼ばれてきたこの地は、インドが英国から独立したあともポルトガルの統治下にあり、1961年になってようやくインドに返還された。

私がここを訪れたかったのは、ビーチでリゾート気分を満喫したかったからだけではない。それであれば、紺碧の海が広がるカリブ海に行った方がいいかもしれない。

私は植民地時代の面影が残るゴアという街のたたずまいを、どうしても見ておきたかった。以前から、コロニアル文化の持つ独特の雰囲気が好きだった上、ポルトガルもまた、心に深く刻まれた、旅先の一つだからだ。このことを書き始めると長くなるので、ここでは割愛する。

さて、ゴアに到着したのは午後4時頃。ホテルのリムジンバスに乗り込み、リゾートまで更に1時間のドライブだ。

車窓から、南国の、ヤシの木が連なる田園風景を眺める。人、牛、犬。人、牛、犬……。

うとうととしているうちに、ホテルに到着した。滞在先は、インドのタージ(TAJ)グループのホテル、「フォート・アグアダ・ビーチリゾート」である。

バスを降り、ホテルに入るやいなや、自ずと頬がほころび、笑顔になる。

暑くもなく、寒くもなく、湿度もほどよく、なんともいえず心地の良い風があたりを包んでいる。なんだか無性にうれしくなる。

ロビーでチェックインをしている間、スタッフが冷たいおしぼりとマンゴージュースを持ってきてくれる。ジュースを飲みながら、バルコニーに出てあたりを見回す。

プール、ヤシの木、そしてアラビア海。海は予想していたとおり、透き通るような美しい海ではないけれど、海で泳いだりシュノーケリングをしたいわけではないからいいのだ。

私は、こんなふうに、空気と風が気持ちいい、そしてその土地の生活の匂いが身近に感じられる、味わいのある海辺に来たかったのだ。

部屋で荷物をほどき、服を着替えて、夕暮れの海を散歩する。部屋にはウェルカムフルーツ(小さなバナナとリンゴなど)とポートワイン、カシューナッツが用意されていた。

ポルトガルに統治されていたこの地では、ポートワインを生産しているのだ。カシューナッツもまたゴアの特産物だという。

一息ついたあと、部屋を出て、海辺やフォート(城塞)のあたりを散歩する。ポルトガルが1600年初期に建造したレンガ色の城塞が、現在も残っているのだ。

アラビア海に沈むオレンジ色の太陽を眺めながら、のんびりと海辺を歩く。丘の上に、素朴な十字架の塔がある。地元で働いているのであろう青年たちが、友達と語らいながら、のんびりと時を過ごしている。

牛が歩いている。犬も歩いている。

太陽が沈んでしまうのを見届けたあと、ホテルに戻り、オープンエアのレストランで夕食をとることにした。

まずはインドに来て以来、毎晩ように飲んでいるインドのビール、キングフィッシャーで乾杯。エビのカレーとレッドスナッパー(赤鯛)のグリルをオーダーする。

ギター弾きの青年が歌う、耳慣れたラブソングを聴きながら、なんて風が気持ちよく、そしてビールがおいしいんだろう。

料理の前に出されたパンに、ひどく感動する。3種類の小さな「ゴア風」のパンなのだが、いずれも今まで食べたことのない味ばかり。

まさにポルトガルとインドのパンが融合している、といった様子だ。

特に、ピザのようなパイのようなナンのような、ペイストリー風の生地の上に、チーズと甘みのあるトマトソースが載っているものがなんとも言えずおいしくて、そればかりを食べてしまいそうになる。

エビのカレーは、トロリと濃厚で、甘みのある味付け。これがゴアのスタイルなのだろうか。レッドスナッパーは身を切り分けず、丸ごと出してくれと頼んでおいたので、こんがりとした姿焼きがテーブルに届いた。

ほどよくスパイスでマリネされたグリルは、味付けが控えめで魚そのものの味わいを堪能できる。

それにしても、スタッフのサービスの良さに心を打たれる。教育が行き届いているのか、それとも真にホスピタリティがあるのか。米国生活に慣れ、不愛想で失敬なサービスに慣れている身としては「サー」とか、「マダム」とか丁寧に呼ばれるだけでも心がなごむ。交わす笑顔が親密。アジアね……。

身も心も満たされて、外に出る。空を見上げれば、見える見える、無数の星が!

オリオン座が、こちらを見ていた。

明日は、ゴアの古い町を巡る。楽しみだ。


ニューデリー空港にて。出発が1時間ほど遅れたのでうろうろと歩く。


インドでは「ミルクバー」があちこちにある。牛乳は濃厚でおいしそうだが、お腹の具合が心配だったので試さなかった。


公衆電話


ネスカフェ、リプトンの紅茶、そしてコカコーラ。インドでよく見かける、ちょっとこじゃれたカフェスタンドの様子。


ここは撮影禁止かなと思いつつも窓からの風景。


刺繍の文字が縫いつけてあるのも、なんだかいい味。


喜び勇んで食べた機内食。野菜に、ドレッシングではなくライムを絞って食べるところがいい。ライムがおいしい。


このアイスクリームが格別だった。ナッツの香ばしさにも感激する。


上空から見下ろすゴア空港。滑走路が一本しかなく、しかも軍用機と共同利用されている様子だった。


空港からホテルまでは約1時間。専用のリムジンバスに乗って行く。あたりの空気が気持ちよくて、なごむ。


「おしぼりを、どうぞ」
チェックインする我々に、スタッフが絶妙のタイミングでやってくる。


マンゴージュースを飲みながら、チェックイン。スタッフの対応のよさにうれしくなる。


海風が気持ちいい! 海にせり出しているのが城塞の一部。


海ではパラセイリングやジェットスキーをしている人々が。


ガーデンに面した室内。ゆるゆると回る天井のファンがよく似合う部屋。よく似合う空気。ああ、せめて1週間くらいのんびりしたい。


滞在中になにかウォータースポーツをやろうと下見をするA男。わたしは今回、のんびりするのだ。


アラビア海に夕日が沈んでいく。パラセイリングやジェットスキーをする人がみえる。


砦に立つA男。背後に見えるのが我々の宿泊しているホテル。


インドのカジュアルな民族衣装、サルワール・カミーズを着用する坂田。


丘の上には十字架。あたりは土地の人たちが集っていて、夕暮れの静かなひとときを過ごしていた。


ルームサービスのポートワインとカシューナッツ。ワインは甘みばかりが際だち、風味が浅く感じられたが、文句はいうまい。ポートワインの味なんて、この際どうでもいいのだ。カシューナッツが香ばしくて、非常においしい。


真剣な面持ちでメニューを見つめる夫。インド滞在中、毎晩のように飲用していたキングフィッシャービール。軽い喉ごしながらも、しっかりとした風味のある、おいしいビールだ。


レストランのスタッフがギター弾きに。柔らかな声があたりを包む。ああ……。いい気分だ……。


魚の丸ごとグリル。きれいさっぱり食べ尽くした我々。付け合わせのポテト(バター風味のきいたフレンチな味付け)がまた美味。


ホテルの随所に、小さな水桶が配されていて、色鮮やかな花びらが浮かべられている。

その、しんとしたさまが、美しい。


クリスマスを間近に控え、ホテルには大きなクリスマスツリーが。

インドはご存じの通りヒンドゥー教徒が多い国だが、近年では日本同様「クリスマスはお祭り感覚」で楽しむ傾向にあるようだ。しかし、ポルトガルの影響を受けているこのエリアは、実際にキリスト教徒が多い。

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