4月13日(2)車を降りて、駆けて行く! 黄色い大地。緑の大地。 すいすいと、滑るように、車は走る。緩やかなカーブ、滑らかなアップダウンを繰り返しながら、丘陵地を走っていく。雲の流れは速く、気がつけば青空がのぞいている。 時折、目前に現れる一面の黄色。一面の緑。片道一車線の細い道だから、すぐには車を停められない。景色はどんどん後に流れていく。次のまばゆい光景を探して、走る、走る。ようやく眺めのいい場所で、停車できた。 エンジンを切り、静寂。車のドアを開け、路肩の砂利に靴底が触れる瞬間、世界が一変する。もう、車の中から眺めるのとは何もかもが違う、風の感触、視界の果てしない広がり。 10歩、20歩と歩くだけで、風景が異なって見える。ここからの眺めがすばらしい。いやあそこからの眺めもまた。菜の花畑の中に伸びる、細い畦道を、もう衝動的に駆けだしてしまう。大好きな黄色に包まれて、うれしい。
角砂糖を携えて羊の群れに近づくも、逃げられてしまった。残念がる夫。