OXFORD/ APRIL 12, 2005

4月12日(2)ハリーポッターにも登場した、クライスト・チャーチのダイニングルーム

今夜はオックスフォード郊外のホテルに宿泊するものの、オックスフォード観光は早々にすませ、コッツウォルズの村々に足を伸ばす予定だった。しかし、風の冷たい灰色の空は、ドライブ気分を半減させる。なんとなく、しんみりした気分で、重厚かつ年季の入ったオックスフォードの町を二人ぽつぽつと歩く。

大きな町の観光は余り関心がなかったのだが、なぜか夫が、自分が訪れようと提案した場所であるせいか、「これぞ」という見どころを発見するまでは立ち去りたくない、そんな姿勢を見せ始め、地図を片手にあそこへ行こう、ここはどうだ、と積極的である。

オックスフォード大学の図書館を見学し、ニュー・カレッジのキャンパスを歩き、「もう、コッツウォルズに行こう」というわたしの声を遮り、「CHRIST CHURCH(クライスト・チャーチ)に行こう!」と張り切る夫。さほど乗り気ではなかったわたしだが、中へ入って驚いた。そこには、わたしの大好きなダイニングルームがあったのだ!

わたしは映画『ハリー・ポッター』のファンではまったくないが、1本目を見たときに出てきたダイニングルームだけは、とても好きで印象に残っていた。あれはセットなのだろうかと思っていたら、なんとこのクライスト・チャーチが撮影の舞台となっていたらしい。

急にご機嫌になり、入場。ズラーッと並ぶテーブル。高い天井。ステンドグラス。数々の肖像画……。建物そのものが、独特の威厳に満ちた空気を放っていて、心を奪われる。肖像画の中には『ALICE'S ADVENTURES IN WONDERLAND(不思議の国のアリス)』の原作者でもあるルイス・キャロルの絵もあった。

彼もまた、オックスフォード大学の出身なのだという。ショップで『不思議の国のアリス』のペーパーバックを買った。

さて、「これぞ」という場所を見られたわたしたちは、互いに心地よい満足感に浸りつつ、車に戻り、夜までの数時間を、コッツォルズを巡りながら過ごすことにした。


広大な正方形の中庭を持つクライストチャーチの建物。時計台の中には大きな鐘が吊られている。

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