「ミホ、ニューデリーにはキングフィッシャー航空で行くからね」 その時点ですでに、満面の笑みをたたえていた夫。つくづく、ポーカーフェイスのできない男だ。 そして出発当日。毎度、ホテルを出る間際にもたもたする夫、責める我。 インドでは斬新ともいうべき、「膝上7センチ」の赤いミニスーカートを履いた地上係員等が、 確かに、彼女らは「きれい」ではあるけれど、わたしの目には、少々「けばく」見える。 セキュリティーチェックを終え、搭乗直前、待合室のトイレに入った。 「ヤンキーな高校生」のごとく。 さて、駐機場での写真撮影は、禁止されているはずだけれど、 ふむ? 中央に写っている、妙ににやけた男はなんだ? まったくどいつもこいつも、阿呆丸出しだ!
BANGALORE SEPTEMBER
11, 2005/ DAY 13
「なにそれ? ビール会社の?」
「そう、あのキングフィッシャーが航空業界に参入したんだよ。
アメリカのJet
Blue
みたいな感じらしいよ」
「ふーん。じゃあ、機材も新しいんだ。サーヴィスはどうなのかなあ。ビール、出るのかなあ」
「あのねえ、フライトアテンダントが、みんなすごく美人らしいよ!」
夫はふてくされたままタクシーに乗り込み、空港に向かう。
そしてキングフィッシャー航空のチェックインカウンターへ。
あちらにも、こちらにも。チェックインのときにはすでに、頬が緩みっぱなしで、ご機嫌なハニー。
何しろ、そもそも濃い顔だちを一段と濃く見せるメイク。
わたしとしては、ジェット航空の、サリー姿の清楚なお姉様方が好みだ。
だが、男子はさにあらず。やはりミニスカートにやられるのか?
ん? 煙草の煙が充満している。
インドの女子トイレで喫煙者とはめずらしい、
と、ふと開放された個室を見れば、赤いミニスカートのお姉さんが二人、
まさしく、スパーッ、スパーッという感じで、煙草をふかしているではないか。
「あばずれ」のごとく。
たとえが少々、古いだろうか。
派手な機体をお姉さんを撮りたくて、急いでこっそり撮影。
空港の関係者か?
それにしても、なんなんだ、このだらしない態度は。
そんなにうれしいのか、赤いミニスカートが。
新規参入のエアラインであるせいか、チェックインカウンターは、隅の方に「特設」状態。赤いつなぎを着た男性スタッフが、荷物をセキュリティーチェックに通したり、チェックインカウンターに運んだりと、手伝ってくれる。 使用機材はいずれも新品とのこと。ビジネスクラスはなく、すべてエコノミー。各シートにモニターが付いている。前に座っていたお兄さんが、映画を観ながらうひゃうひゃ大笑いをしていた。
機内誌も、派手である。今回の特集は"India's
50 most
beautiful"だし。無論、容姿の美しさだけを問うている企画ではなかったが。あと、いろんな「おまけいり」の袋もついている。わたしの好きなキャンディーも入っていた! 短時間のフライトでも、軽食はしっかり出ます。これはヴェジタリアン。ココナツミルク入りの野菜シチュー。夫が食べたチキンのシチューの方がおいしかった。
隠し撮りっていうのは性に合わないのだが、でも、堂々と、「撮らせて下さい」とも言いづらく、やっぱり隠し取ってしまったフライトアテンダントの働く様子。