SCENE25: ジャーナリストではないので。
BANGALORE SEPTEMBER 7, 2005/ DAY 9

バンガロアは雨季のようで、なにかと雨が降っている。
束の間の晴れ間、外に出てみようと思う。
ホテルの外観を撮影していたら、
「標的発見!」
とばかりに、わたしに向かって駆けてくる二人。

汚い服着た裸足の少年と、丸裸の小さな男の子。
もちろん、ここがホテルだとわかっていて、
異国の人たちが施しをくれるのをわかっていて、
このあたりを彷徨しているのだ彼らは。

哀れみを誘うための、それは敢えて全裸なのか。
逞しい彼ら。
鋭い瞳を持っている。

普段は通り過ぎるところだけれど、
汚れた小さな手のひらに、コインを載せた。

こんな彼らにカメラを向けるときは、気が咎めてしまうがしかし。
遠慮がちに。


なんだかやってられない気分になって、どうでもいいものを撮影して、すぐにホテルに戻った。いつも割り切った気分でいられるわけではない。当たり前のことだけれど。

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