SCENE18: 新聞に。
MUMBAI (BOMBAY) SEPTEMBER 5, 2005/ DAY 7

朝食を終えたテーブルで、新聞を広げる。
"The Economic Times"に、見覚えのある顔。夫のボスだ。
彼、Vinod Dhamは、かつてインテル社に勤めていたころ、チップ開発チームのリーダーだった。
「ペンティアムの父」と呼ばれている、インドのプネー出身の男だ。

猛烈に、優秀で、アグレッシヴで、エナジェティック。
彼がパートナーと二人で創業したヴェンチャ−キャピタルファームに、
数カ月前、夫も加わったのだ。「インド行き」という目標のもと。

読み進めば、夫の名前も出てきた。肩書きを、間違えられてはいたけれど。
「いつかはWall Street Journalに、あの、顔のイラスト入りで紹介されるといいね」
そんな話をしたことがある。

「いつか」に向かって、少しずつ、少しずつ、進んで行く。


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