今日はいよいよ、西海岸、カリフォルニアに入る。明後日には、旅の終着点であり、新しい暮らしの始発点であるシリコンヴァレーのサニーヴェールという町のホテルに予約を入れている。つまり今夜はできるだけ遠くまで走り、どこかの町で1泊し、明後日の午後にはシリコンヴァレーに到着するつもりであった。 ところが、ラスヴェガスを出てインターステイト15に乗ってまもなく、その読みが甘かったことに気付いた。これまで3000キロ以上走ってきて一度も遭遇しなかった渋滞に見舞われたのだ。無論、事故などで一時的に交通が滞ることはあったが、事故でもないのに込み合うケースは初めてである。 考えてみれば今日は日曜日。週末をラスヴェガスで過ごした人たちが、ロサンゼルスなど各方面に帰宅する日なのである。ときどきスムースに流れはするものの、平均時速が10マイル、20マイルの、のろのろ運転が続く。よりによって、ここは砂漠地帯だ。日差しが鋭く、空気はからからに乾燥している。じりじりと、車に照りつけている太陽が、車内にまで染み込んでくるのだ。 車内はもちろん冷房を入れているし、水も常時、飲んでいるのだが、言いようのない不快感が身体を包む。湿度による不快感とは全く異なる、「生命の危機を感じさせる」不快感だ。車内にいながら何を大袈裟な、と思われそうだが、途中、トイレ休憩で車を降りたとき、からからに乾いた場所で熱射を受けながら、(乾きは人の命を奪う)と、本能的に感じたのだった。 どんなに蒸し暑くても、不快にはなるが、死にはしない。しかし、乾いた暑さは人を殺す。水のありがたさを痛感した。霧吹き用のスプレー、必携であった。 ようやくインターステイト15から、ロサンゼルスを避けるようにして太平洋岸に北上する。すでに太陽が沈みはじめていた。250マイルほどを走るのに、6時間以上かかったことになる。 明日、シリコンヴァレーに直行するなら、内陸を走るインターステイト5を選ぶところだが、海辺を走りながら北上しようということになったので、今夜は海に面したサンタバーバラに泊まることにする。サンタバーバラは以前、取材で西海岸縦断ドライブをしたときに立ち寄ったことがある。椰子の木揺れる海辺の、「いかにも西海岸」な風景が美しい町だ。 海辺のモーテルはどこも満室で、ようやくベスト・ウエスタンに空室を見つけたときには9時を回っていた。急いでチェックインをすませ、夜のプロムナードに出る。繁華街にはレストランが林立しているが、いずれも9時半で閉店。ようやく料理を出すブリュアリーを発見して一安心。 砂漠地帯を走り抜けた身に、ほどよく冷えたビールは格別のおいしさ。サラダとサンドイッチもおいしく、やれやれ、の思いで夕食を味わった。ふたりとも、すっかりくたびれていた。砂漠と渋滞の組み合わせは最悪である。 [DAY 14/
Miles Driven: 365 (3544)]
JUNE 26, 2005/ DAY
14
LAS VEGAS (NEVADA)-
SANTA BARBARA (CALIFORNIA)
砂漠の一本道で渋滞に。疲労困憊の果てに太平洋岸到達。カリフォルニア、サンタバーバラ
ラスヴェガスを出た瞬間から、すでにノロノロ運転。 カリフォルニア州に入っても、のろのろ運転。
日差しが鋭い。乾いた暑さが不快だ。 なんて読むんだ? 発音できない。
たまにトラックの影になって日差しを避けたりして。 ようやく渋滞のインターステイト15を脱出。まずは給油。そして洗車。あ〜気持ちいい、と車の声が聞こえてきそうだ。
何を取りたかったんだかわからない。旅の途中から、内部レンズについた汚れがとれない。左側に丸い影ができるのよね〜。レンズを外して掃除できないのが難。 ああ、もう日暮れ時だ。
ついに海が見えてきた! 太平洋だ! とうとう大陸横断を達成しました! あいててよかった、ブリュアリー。
ツナ(マグロ)のたたきのサラダ。 野菜たっぷりロール。
今日は最高にくたびれました〜。ビールが飲めて、夕食が食べられて、もうそれだけで幸せです。