疲れていたはずなのに、朝早くに目が覚める。夕べは熟睡できたようだ。窓を開くと、ちょうど朝日が岩山の彼方から顔を出すところだった。夫はまだ眠っている。わたしは窓を開いたまま、部屋にヨガマットを敷いて、軽く身体を伸ばす。気持ちのよい朝だ。 朝食は夕べと同じクリーク沿いのテラスへ。そこは夜よりも遥かに美しい場所だった。朝の光が水面に反射してきらめいている。気温も湿度もほどよく心地よい。 フレッシュオレンジジュースにバターミルクパンケーキ、スイスのミューズリ(Muesli:
シリアルのようなもの)を注文する。料理の味は、特筆すべき何があるわけでもなかったが、最早すべては「雰囲気」である。川のほとりで鴨が泳ぐのを眺めながら朝食を食べる、というその状況が美しい。ゆっくりと時間をかけて、味わえることが幸せである。 さて、朝食を終えて、まずは延泊の手続き。ところがすでに予約はいっぱいだと言う。「1室も空きはないのか?」と交渉する夫。どうやらジュニアスイートなら空室があるらしい。追加料金を払わなければならないのかしら……と思っていたところ、夫の交渉は成功し、スタンダードと同じ料金でジュニアスイートに移れるとのこと。よかった! 一方、ラスヴェガスのホテルは、一日ずらすことで週末にかかるため、料金がかなり割高になってしまったが、仕方ない。いつでも気軽に来られる場所というわけではないのだから、少しでも長くいたいと思えるところで過ごすのがいい。 新しい部屋の準備ができるのは午後2時頃だということで、町へ出てみることにした。レッドロックを巡るジープツアーなどもあるようだが、ここではゆっくりと過ごしたい。アトラクションには一切、出かけないことにした。 ホテルのコンシェルジュが勧めてくれたショッピングセンターに行ってはみたが、特に買い物には関心がわかず、すぐに退散。しばらく町中を散策し、軽くカフェでサンドイッチでのランチをすませた後、ホテルへ戻った。
JUNE 23, 2005/ DAY
11
SEDONA (ARIZONA)
木漏れ日が降り注ぐ水辺のテーブルで、幸せなブレックファスト
セドナはリンゴの産地らしい。ホテルの庭にもリンゴの木。 朝は夜にも増してすてきなクリークのそばのテラス。
ワサビは最早、国際語。 岩場から足を滑らせている様子が臨場感に満ち満ちている。
セドナの町の入り口にあるサイン レストランやショップが立ち並ぶセドナの中心地。