JUNE 17, 2005/ DAY 5
SANTA FE (NEW MEXICO)
そよ風吹いて、空青く。幸せランチタイム。そして至福のマッサージ

部屋で荷物をおろして一段落したあと、ランチを食べようとダイニングへ行く。あいにく、時間が遅すぎたせいでランチタイムは終わっていたが、バーメニューなら用意してくれるということで、ひとまずはテラスに出る。今日はもう、運転をする必要はないからと、ともかくはビールを注文する。

空きっ腹にアルコールじゃ酔いがまわると思ったが、酔いが回ったっていいじゃないかというものだ。日差しはほどよくまばゆいし、そよ風はそよそよ吹いているし、小鳥はピョロピョロ鳴いているし、空の青さは目にしみるし、もう、なんていいところに来たのだろうと、感動する。

町中にはさまざまなレストランやショップ、アートギャラリーがあり、観光に便利で楽しいだろうけれど、今のわたしたちには、この豊かな自然と、静寂がよほど好ましい。

サンタフェの町に入った途端、「ここは2泊で切り上げよう」と言っていた夫も、この場所が気に入ったようで、前言撤回。ビールで喉を潤し、おいしい軽食を堪能し、幸せなひとときである。

食事のあと、スパへ立ち寄り、マッサージの予約を入れる。本当はフェイシャルもしたかったのだが、予約がいっぱいだったので、ひとまずはマッサージである。最初は「僕はプールで泳ぐからいい」と言っていた夫も、優雅なスパの雰囲気に引かれたのか、マッサージを受けることにした。

マッサージの時間までは、四六時中、二人で過ごしているので別行動をとることにする。夫はプールへ行き、わたしは部屋で本を読んだり、机に向かって写真の整理をしたりする。

「机」はわたしにとって、とても心の落ち着く場所で、机に向かう時間はわたしにとって、とても大切な時間である。旅の間は、二人がいつも同じ部屋にいて、一人静かに机に向き合う時間がないから、おのずとストレスが溜り、些細なことで喧嘩をしたりする。適度な距離を保つためにも、各自、自由行動である。

さて、太陽が傾きはじめるころ、スパへ行き、まずはジャクージーで身体をほぐす。昼間よりも気温は下がり、風が涼しく心地いい。サロンの雰囲気はよく、マッサージルームも広々としていてとてもいい。それより何より、マッサージのすばらしいこと! 若い女性が施してくれたのだが、腕や肘をうまく使い、力加減も絶妙で、まさに「今までの人生で最高」のマッサージだった。マルハン父子の口癖が乗り移った。

バスローブ姿のまま、テラスのデッキチェアーに横たわり、水を飲みながら、爽やかな夕暮れの風に吹かれる。極楽気分の極みである。やがて夫もマッサージを終え、腑抜けの様相でやってきた。彼もまた、

「マッサージ、今までの人生で一番だった」

とのこと。フロントでマッサージの技術を絶賛したら、テクニシャンを採用する際、かなり審査を厳しくしているとのこと。そうだろうと納得する。「フェイシャルもすばらしいですよ」と言われ、もう、あとへはひけない。滞在中になんとか予約をいれたいと思う。

しばらく部屋でくつろいだあと、ダイニングルームでディナー。まずはニューメキシコ産の白ワインで乾杯し、シーザーサラダに魚介類のマリネ、そしてサーモンのグリルを注文。食前に出されるパンもおいしく、料理もおいしく、一昨日の夕食とは雲泥の差の充足感で部屋に戻る。

空を見上げれば、北斗七星がくっきりと輝いていた。

[DAY 5/ Miles Driven: 113 (1885)]


ファヒタのサラダ。底にビーフのグリルが埋まっている。パリパリの器もおいしい!

ホームメイドのトリコロールなトルティヤ・チップスとワカモレ。新鮮野菜は歯ごたえもよく、これもまたおいしい。

夜になると冷え込むらしく、暖炉に火が入る。

ビールがもう、このうえなくおいしく感じる。

夕暮れどき、スパとジムが併設された建物へ。

スパのウェイティングルーム。

ドアの向こうにはテラスがあり、山並を眺めながらリラックスできる。

屋外でもマッサージを受けられる。わたしたちは室内で。

マッサージ前にジャクージーでリラックス

久しぶりに、優雅な雰囲気での夕食。ニューメキシコ産のシャルドネ(名前を忘れてしまった)は、甘味も酸味もくっきり強く、よく冷えていておいしかった。

昼間とは打って変わって気温がぐっと下がり、ラウンジの暖炉には火が入った。

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