Vol. 31 - 60
31. OAXACA, MEXICO, 1992 自分が、実はアルコールに弱くはないのだということに気づいたのは、紛れもなくこの日のことだ。 トウモロコシの歴史と、メキシコの伝統料理を追う取材だった。 |
32. SUZHOU, CHINA, 1992 会社員時代。仕事でも旅行が多かったのに、休暇でも旅行に出かけた。 食事は、たいてい街角の込み合った食堂でとった。探すまでもなく、どれもおいしそうに見えた。 |
33. MECHELEN, BELGIUM, 1999 ベルギーの、メッヘレンという街。ここはカリヨンの学校があることで知られている。 案内のお姉さんが、「打ってもいいわよ」というので、鍵盤を一つ、拳で叩いてみた。 わたしの打ち鳴らした鐘が、街全体に響き渡った。 |
34. GRANADA, SPAIN, 1999 1996年にニューヨークに移り、ARVINDと出会って以降は、彼との二人旅が増えた。 |
35. LISBOA, PORTGAL, 2000 リスボンの旧市街を巡りながら、「ここは、インドに似ていて、何だか懐かしい」とARVINDは言った。 |
36. SINGAPORE, 1991 シンガポールに、ハウパー・ヴィラという、摩訶不思議なアミューズメントパークがある。 |
37. SIENA, ITALY, 1998 イタリア、トスカーナ地方の古都シエナ。わたしがとても好きな街の一つ。 |
38. PUIGCERDA, FRANCE, 1991 「ボーダレス」という言葉が流行っていた時代。その機関誌の海外特集のテーマもまた、「ボーダレス」だった。だから取材旅行は国境地帯を敢えて走ったりした。フランスとスペインを隔てるピレネー山脈のあたり。国境にあるアンドラ公国に立ち寄り、それからスペイン領に入り、スーパーマーケットで食料を調達し、「ピクニック」を演出した撮影をする。撮影を終え、車内で同行のスタッフとランチを食べていた。すると、小銃を抱えた数名の男性が、窓をゴンゴンと叩く。驚く。ときは折しも湾岸戦争の最中。海外渡航は自粛を促されていた折の取材。あちこちの国で、場所で、厳戒態勢がしかれていた。国境付近の道路で、うろうろする東洋人3人は、近隣の住民に怪しまれて、警察に通報されたようだった。事情を説明して、事なきを得たが。 |
39. SOMEWHERE, ANDALUSIA, SPAIN, 2000 そのころ、まだARVINDは運転免許を持っていなかった。だから旅行の時、運転するのはわたしだった。 |
40. REIMS, FRANCE, 1999 人が何かを作ったり、或いは何かが作られる工程を見るのは楽しい。歴史や伝統が色濃い場所では特に。 そのシャンパーンの蔵には、何十年も眠り続けている無数のボトルが、どこまでもどこまでも、あった。 |
41. ASSISI, ITALY, 1994 いくつの宿に泊まったか知れない。 アッシジの、その修道院ホテルもまた、心に刻印された宿。毎朝、礼拝に出た。 簡素な部屋の、ベッドの枕元の壁に、キリストの十字架が、ひっそりとかけられていた。 |
42. COOPERSTOWN, NEW YORK, U.S.A., 2000 ダブルデー・フィールド。世界で初めて、ベースボールの試合が行われた場所。 |
43. WEIMAR, GERMANY, 1991 ベルリンの壁が崩壊してまもないドイツ。冬。旧西ドイツのアウトバーンは、なめらかに車を走らせる。 |
44. RIALTO BEACH, WASHINGTON, U.S.A. 1999 いったい何人のフォトグラファーたちと、一緒に取材旅行へ出かけただろう。 常に重い機材を抱え、真剣な表情で、ひたすら、シャッターを切る人。がいるかと思えば、 (写真に写っているのは、米国西海岸を約3週間、一緒に旅したツチヤさん) |
45. BRIGHTON,U.K., 1995 犬と飼い主って、どうしてこんなにも、似ているんだろう。 自分に似ている犬を飼うから? |
46. SEVEN MILE BRIDGE, FLORIDA, 2000 マイアミから、ひたすら南西へ向かって、車を走らせる。 |
47. QUEENSTOWN, NEW ZEALAND, 1991 「ねえ、坂田さん、やってみない?」 |
48. SHANGHAI, CHINA 1992 上海。ふらふらと街を歩いていたら、行列。行列の源をのぞき込むと、おいしそうなものが! |
49. CORDOBA, SPAIN, 1999-2000 ピレネー山脈の向こうはアフリカだ。かつてナポレオンにそう言われたイベリア半島。 1000年前。前回のミレニアムのころ、コルドバはイスラム世界の中心地であり、 |
50. UBUD, BALI, INDONESIA, 1992 村を、自転車で走った。 あらぬ方角見つめ踊るダンスを見ながら、聞きながら、呆けたように自分の在処をさぐる夜。 色とりどりの果物を頭上に載せて、色とりどりの服を着て、 |
51. PRAHA, CZECH, 1994 途方に暮れてしまうほど、これは好きな情景のひとつ。 地球上には、そういう情景が、ともかくも限りなく、散りばめられていて、 だからそれを、見つけに行く。 |
52. BRUGGE-DAMME, BELGIUM, 1999 旅先で、自転車を借りて、スイスイと走るのは、旅をしていてとても楽しいことのひとつ。 |
53. BEIJING, CHINA - ULAANBAATAR, MONGOLIA, 1992 北京発。週に一度の国際列車は北を目指す。我が目的地はモンゴルのウランバートル。 |
54. TE KUITI, NEW ZEALAND, 1992 ファーム・ステイの取材。181ヘクタールという広大な土地を持つ農家で数日を過ごした。 |
55. SHANGHAI, CHINA, 1992 マーケット、マルシェ、メルカード……。どの国でも、どの街でも、「市場」を巡るのは楽しい。 |
56.GREAT BARRIER REEF, AUSTRALIA, 1994 世界最大のサンゴ礁、グレートバリアリーフ。そこには600を超える島々が浮かんでいる。 ひとりで過ごすには、なんだか惜しいと思えるくらいにゴージャスなホテル。 |
57. GRANADA, SPAIN, 2000 コロンバスが「新大陸」を発見した年、イベリア半島での800年に亘るイスラム支配が幕を下ろした。 丘を下りて、街を歩く。 |
58. ALASSIO, ITALY, 1994 地中海沿い、リビエラ海岸。 その海は、アラッシオ、という小さなリゾートの街だった。駅を出て、海辺に向かって歩く。 朝、波の音で、目を覚ます。水平線から上る、こんな朝日を見るのは、初めてのことだった。 |
59. ULAANBAATAR, MONGOLIA, 1992 わたしが小学生だったときの、クラスの男子たちに、本当によく似ていた。 |
60. WARTHING, U.K., 1995 3カ月間の語学留学。静かな海辺の町で勉強したくて、ここを選んだ。 「来年は、ニューヨークに行こう。それもできるだけ、長い間。」 まだ、ニューヨークへは、一度も行ったことがなかったのに。 |
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