SCENE 67: 最後の頁
BANGALORE, NOVEMBER 16, 2004

今日、深夜の便で、インドを離れる。
南の国の植物が生い茂るこの庭とも、お別れ。

朝食をすませたあと、鉛筆とノートを持って、庭を歩いた。
そして、興味深い形をしている植物を、描いた。

芝生に座り込んだり、ベンチに腰掛けたり、あるいは立ったままで。
描き終えたら今度は、カフェでコーヒーを飲みながら、
ペンで上から、なぞっていく。

絵を描くことが、こんなに楽しいことだとは。
自分がこんなに熱心に、描けるとは。

写真を撮るよりも、時間がかかるけれど、深く記憶に刻まれる。
植物の造形の、ひとつひとつが。


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