SCENE 53: ディワリ序章
BANGALORE, NOVEMBER 11, 2004

ホテルに戻ったら、エントランスやロビーの随所に、光。
ゆらゆらと、揺れる炎が美しい。

外からは、絶え間なく聞こえてくる爆竹の音。
その賑やかさとは裏腹に、一人静かにホテルのレストランで夕食。

がらんとしたダイニングで、インド産の白ワインを飲み、
トマトスープとサラダを食べた。

バーカウンターでグラスを傾ける旅行者の背中を眺めながら。

歳を重ねるごとに、明らかにしていきたい。
自分の有様を、と、思う。

揺れる炎をぼんやりと、目で追いながら。

今ここに在る自分を慈しむことが大切。


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