■極めて快適、サービスもよい、タージ・マハル・ホテルへ
タージ・グループのホテルは、名前が紛らわしい。
ムンバイにもタージ・マハル・ホテルがあるし、ここニューデリーにもある。もちろん、あの、世界遺産の「タージ・マハル」がある町、アグラにも、タージ・マハル・ホテルがある。
さて、わたしたちは今日から3泊、ここニューデリーのタージ・マハル・ホテルに滞在する。前述の通り、3年前の結婚式の折、家族が到着した日の夜、ここで夕食を食べた。わずかながらも印象的な思い出があるホテルである。
広々としたロビーフロアはとてもエレガントで、(ありがちな表現ではあるが)ドアを開け、中に一歩足を踏み入れた瞬間から優雅な気分にさせられる。チェックインカウンターは、幾つかのデスクとソファーが設けられており、1組ずつがゆっくりと腰掛けてチェックインできるのがいい。
タージ・グループのホテルは、過剰と思われるほどにスタッフが多く、そのスピードが緩慢なことを除いては、サービスが非常に丁寧で行き届いている。ホテルの部屋もすっきりと美しく、隅々までハウスキーピングがなされているが気持ちいい。
■そして夜はサリーを着て、親戚宅のパーティーへ
今回、サリーは3着、持参している。すでに1着はムンバイの会食時に着用した。今夜は親戚宅へ招かれているので、再びサリー着用のチャンスである。前回、バンガロールにあるマイソール・シルクの専門店で購入したサリーを着ることにした。
迎えに来てくれたティージビールの車に乗り込み、夫の従兄弟宅へ。
親戚や知人が20人ほど集まっての、賑やかなディナーパーティーだった。たっぷりの料理が用意されていたが、ケサールのランチをたくさん食べていたので、食事は軽くすませ、ワインなどを飲みながら親戚らと語り合う。
先月、ジョージタウンで夕食を共にしたワシントンDCのIMFに勤務している夫の「はとこ」も出張でデリーに来ており、パーティーに参加していた。
明日には米国に帰国する彼女、数カ月前、日本へ出かけたばかりのその母親、来週からブラジルのリオに出張の叔母、近々ヨーロッパ出張の叔父……。
ワシントンDCにいても、インドにいても、もうわたしの周りには地球を転々と飛び回る人たちで溢れていて、世界各国の都市名が、まるで同じ市内の町名を語るくらいの気軽さである。
この国に身をおいていると、ときどき、別の惑星に立っているような、茫漠とした途方のなさを感じる瞬間があるが、この親戚たちに囲まれていると、グルメだのショッピングだの映画だのと、なじみのある浮き世っぽさがほとばしっていて、居心地がいいような悪いような、奇妙な感覚である。
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