11月2日(火)
■半年ぶりのバンガロール。バブルのまっただ中にある
バンガロールには、ひとまず2泊3日の滞在である。旅の終わりに、またこの街に戻ってくる。
今回の滞在先は、1年前に泊まったのと同じ「タージ・ゲートウェイ」というタージグループのビジネス系ホテルである。
以前も何度か書いたが、バンガロールは現在、インドにおけるIT産業のハブシティとして、目覚ましい発展を遂げている最中で、多くの企業が次々に登場し、海外からのビジネス客も激増中で、それに伴うインフラの問題も続出で、著しい混沌の中にある。
中でも問題なのは「ホテル不足」。これはムンバイで食事をともにしたカップルも言っていたことだが、バンガロールに出張するたび、ホテルをとることができず、知り合いの家に泊めてもらったりしているのだという。
わたしたちの場合、前回も今回も、タージグループに直接問い合わせたが、キャンセル待ちで埒があかなかった。結局は米国にあるインド系の旅行会社を通して予約をしてもらった。海外の旅行会社が一定枠の客室を確保しているのだ。
つまりバンガロールではインド人でも外国人と同様の料金を払わなければならない。無論、ほんの少しの違いではあるけれど。
ちなみにタージ・ゲートウェイはビジネスホテルで、特に豪華でもなんでもないホテルだが、1泊税別で150ドルである。このホテルはまだ安い方で、他のビジネス向け高級ホテルは200ドル、300ドルは当たり前で、マンハッタン並みである。
ホテルのスタッフ曰く、
「バンガロールでは、たとえば1週間の滞在でいらっしゃる海外のお客さまは、ホテルの予約が取れないため、数泊ずつ、2カ所、3カ所を転々と移動なさる場合が多いです」
「現在、2005年に向けて7つほどのホテルが建設中ですから、状況は少しよくなるとは思います」
「来年の2月には、バンガロールで世界的なアエロショー(航空機のカンファレンス)が行われますが、その時期、このホテルが1泊400ドルになるんです。でも、もうすべて予約は埋まりました」
バブルにもほどがあるというものだ。かくいう我々も、次回訪れる際には、7泊の間、3カ所のホテルを転々とするのである。
■またしても、街の表情が変化している。けれど幾つもの世界が混在
午前中はホテルで過ごし、午後、少し街を歩いた。1年前とは明らかに様子が変わっていて、新しいショッピングモールや大型書店がオープンしている。
一方で、路上で食事を立ち食いする人あり、牛車あり、オートリクショーの排気ガスありで、変わらない部分もしっかりと。
ショッピングモールをふらふらと歩き、本屋を巡り、商店街のスーパーマーケットを訪れる。相変わらずの排気ガスに辟易しながらも、移り変わる街のさまを、興味深く思う。
■夕食は、義姉夫婦とチャイニーズを
インドの中国料理はおいしい。いや、日本にはおいしい中国料理店はたくさんあるが、ニューヨークやワシントンDCにはいい店が少ないから、なおさらそう思うのかもしれない。
というわけで、バンガロール在住の義姉スジャータとその夫ラグバンが行きつけだと言う「チャイニーズ&タイフード」のレストランへ。
その店は、まるで廃虚のような古びたモールの中にあった。インドの建物は、なぜか夜、消灯されてしまうと、廃屋のように見えてしまうのだ。また、新築にも関わらず、外観が古びて見えるのも不思議。建築中か解体中か、判別不能な建物が多いのもインドの特徴である。
さて、店内に入るとそこは雰囲気もよく、チベット人のオーナーがにこやかに出迎えてくれた。
薄味ながらも出汁の効いた野菜たっぷりのスープ「モンゴリアンスチームボート」をはじめ、夫のリクエストによるまたしても「エビのグリル」、「チンゲンサイとブラックマッシュルームのガーリックソース」「ラム肉とインゲンのソテー」などをオーダーし、皆でシェアする。
久しぶりにインド料理から離れ、新鮮な気分である。
義姉夫婦は相変わらず淡々と物静かで、いかにも熱量消費率が低い感じの会話形式である。わたしが主にひとりで声が大きいのである。次いで夫である。
猛烈に騒がしく、けたたましいしゃべり方をするインド人にあって、義姉夫婦は極めて珍しいタイプだということを改めて痛感した。
わたしたちは、明日、早朝の便でニューデリーである。というわけで、早めに食事を切り上げてホテルに戻った。
NOBLE HOUSE
CHINESE & THAI RESTAURANT
#9-13, 1st Fl., Kedia Arcade, 92 Infantry Rd., Bangalore/
Phone: 51130708
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