SCENE 13: 水のほとりの静かな部屋で
KUMARAKOM, KERALA, OCTOBER 29, 2004

違う国に舞い降りたような、唐突なほどに異質の世界。


■南インド、ケララの料理で遅いランチ。

コテージで荷物をほどいたあと、ランチを食べにダイニングへ行く。海に面したケララ州は魚介類が豊富であるのに加え、この周辺では川や湖などで捕れる淡水魚も多く食卓に上る。

まずはいつものインド産キングフィッシャービールで喉を潤したのち、料理を注文。カリッと焼いたクリスプにスパイシーな小エビを載せたブルスケッタ風の前菜と、キュウリやトマト、たまねぎのスライス、グリーンチリを盛り付けたサラダ、それから淡水魚にケララ風のスパイシーソースをかけ、バナナの皮で包んで蒸した料理などを注文する。

椰子の森に覆われているだけあり、この地ではココナツオイルやココナツミルクを大量に使った料理が多く、料理によっては風味が濃厚すぎて、食べづらいものもあるという。このレストランには外国人が多く訪れることもあり、ココナツの風味を少々、抑制している様子だ。

蒸された魚は淡白な味わいながらしっとりとしていて、スパイシーなソースととてもよく合う。小さな魚をまるごと蒸していて、骨が多く食べづらいのが難だが、ここはインド。手をべたべたにしながら、身をほぐしつつ食べる。

食事を終え、南インドの香り豊かなコーヒーを飲むころに、ようやく気分がリゾート対応に切り替えられた。


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