SWITZERLAND / GENEVE-GRINDELWALD
スイス/ジュネーブ-グリンデルワルド

2/20/2003


今日は午前中、ジュネーブで過ごした後、午後からグリンデルワルドへ向かう。グリンデルワルドはスイス・アルプス観光の拠点。アイガー、メンヒ、そしてユングフラウのベルナーオーバーラント三山を中心とした、4000メートル級の山々の懐に抱かれた小さな街だ。

まずはジュネーブから東へ向かう列車に乗り、スイスの首都、ベルンで乗り換える。ベルンから南東のインターラーケンを目指したのち、ここでまた列車を乗り換えて目的地のグリンデルワルドへ。

スイスは鉄道王国といっても過言ではないほど、国中に鉄道が張り巡らされている。乗り換え時間の接続もよく、非常に効率的に移動できる。車がない旅行者にも、また本格的に登山をしない旅行者にも、アルプスの自然を満喫できるような配慮が随所に見られる。だから、わずか1泊でも、わたしたちは3454メートルというヨーロッパで最も高い場所に足を踏み込むことができるのだ。


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朝のジュネーブ。レマン湖を望む、静かな都市。この街には国連のヨーロッパ本部をはじめ、さまざまな国際機関がある。

この街の名物は高さ140メートルも吹き上がる左岸の大噴水。夏の間は毎日のように噴水が上がるようだ。

気のせいだろうか、他のヨーロッパの街に比べると、スイスの街は圧倒的に時計台が多いような気がする。

目に入る公共の時計は、いずれも正確な時刻を指し示している。さすが、時計の国、スイスだ。

ローヌ通りのカフェで、軽い朝食。フランスに近い街だけあって、朝食はやはりクロワッサンだった。

またしても! お菓子のショーウインドーをのぞいてしまう。エクレアにレモンのタルト。見るからに、きれいね〜。でも一つだけ、レモンが半分じゃないのはなぜ? 

あ〜。こちらのケーキもおいしそう!

さて。12時ちょうどにホテルをチェックアウトし、重い荷物を引きずって駅へ直行。ランチ用のサンドイッチなどを買い、12時30分発の列車に乗るため、プラットホームへ。

わたしたちは首都ベルン(BERN)で列車を乗り換える。ちなみにベルンとは「クマ」の意味。ドイツのベルリンもクマよ。

当然、クマはベルンのシンボルだからクマ系のグッズが多くて、以前訪れたときは、小さなクマのぬいぐるみを買った。

わたしたちが使っている大きい方の赤いスーツケースは、DCで購入したスイスアーミー製。里帰りしたスーツケースはスイスの風景によくなじむ。それにしても、赤いバッグに赤いフリースと、わたしの持ち物もまた、非常にスイス的。

駅のベーカリーで購入したサンドイッチとオレンジジュースでランチ。オレンジジュースはアメリカの方がおいしいかも。でも、サンドイッチのおいしさはこちらが格別。パンの皮がパリッと香ばしくて、中が柔らかめ、のバランスがいい。手前は定番のチーズ&ハム、うしろはローストビーフ。

A男がどうしても食べたいというので(人のせいにする)購入したデザートのアプリコット(あんず)のタルト。アプリコットは素材のまま、甘みを添加されておらず、タルトもあっさりとしていて非常に軽い食感。アプリコットそのものの甘酸っぱさが楽しめるシンプルなタルトだった。おいしかった。

ベルンで列車を乗り換えたら、まずは山の麓にある町、インターラーケンへ。インターラーケンは、ブリエンツァー湖とトゥーン湖というふたつの細長い湖に挟まれたアルプス麓の観光拠点だ。

写真は西から東へ向かう車窓から、トゥーン湖を望んで撮ったもの。少々ガスがかかっていて視界がくっきりとしていないが、晴れ渡った日の湖面は目が覚めるようなエメラルドグリーンだ。

インターラーケンには西駅(West)と東駅(Ost)の二つがある。ここは西駅。両駅の間にメインストリートがのびていて、通り沿いにホテルや店などが並んでいる。

取材で初めてスイスを訪れたとき、ブリエンツァー湖のほとりにある小さな宿に泊まった。夏だったから水着姿でボートに乗り、湖に出たことを思い出した。

夏は山間に緑があふれ、家々は花で彩られ、雪山との対照が美しかった。

ちなみにこれは列車内。清潔で快適。でも、喫煙車が多いので、乗る際には注意が必要。

やれやれ一段落……、と思った次の瞬間にはもう、煙に包まれる。

ここはインターラーケンの東駅。グリンデルワルドへ行くには東駅で別の列車に乗り換える。ここから30分強でグリンデルワルドに到着する。

標高567メートルのインターラーケンから、1034メートルのグリンデルワルドまで列車は坂道をぐんぐんと上っていく。

みるみるうちに周囲は雪景色に変わり、峻厳な雪山の雄姿が見え始めた。

屋根に雪を戴いた家々が立ち並ぶ。

1995年の初夏に取材に来たときは、3カ月の英国留学を終えて、ロンドンからグリンデルワルドに直行し、カメラマンと落ち合った。あのときは、確かロンドンからチューリヒまで飛行機で飛び、チューリヒからベルン、インターラーケンを経由したと思う。

一度見ているはずの光景なのに、季節が違うせいか、なんだか初めて見る景色のような気がする。

途中の駅、Lutschental。ここは道路と線路が交差する地点なので、列車が発着する間、踏切は下がったままだ。道路に車がずらりと並んでいる。

正面に見えているのはWetterhortn(3701m)か。いや、Schwarzhorn(2928m)だろうか。

ようやくグリンデルワルドに到着! 8年前よりもずいぶん店が増え、賑やかになっている。わたしたちはまず、荷物を駅に預けて観光案内所へ。ここでホテルの情報を得、予約をしてもらった。メインストリートにある小さな山小屋風ホテルにチェックインする。

ハイシーズンだということで、1泊200ドルほどしたが、それでもこんなに広い部屋なので満足。しかもバルコニーからは3970mのアイガー(Eiger)が目前に見渡せるのだ。ちなみにこの宿の1階には日本料理店が……。

シンプルながらも清潔感のあるベッド。ちなみにスイスやドイツ、オランダの宿って、なぜかブランケットをこうして半分にピシッと折り畳んだベッドメーキングをしているところが多い。高級ホテルはどうだかわからないけれど。

バルコニーからの風景。アイガー(多分)が目の前だ。

ちなみに向かいのかまくら風建物はDJがうるさいクラブ。若者スキーヤーたちが音楽に合わせて踊ったり飲んだり大声でしゃべったりと、なんとも賑やか騒がしい。ホテルのロケーションは便利だが、静寂を味わいたいわたしには、ちょっと不満……。8年前にはなかったんだけれどね。

夕食にはまだ早いからと、夕暮れの町を散歩に出かけることにした。標高1034mだし、雪山に囲まれているし、とても寒いだろうと思っていたが、そうでもない。

むしろカンヌやジュネーブの夜の方が寒かったくらいだ。風がなかったせいかもしれない。

家々の屋根に降り積もる雪の、なだらかな丸さが白クマのよう。雪の重みは相当なもののはず。よほど頑丈に作られた家々に違いない。

山の頂上が夕日に照らされて、まばゆくきらめている。写真ではどうしても上手く色を再現できないが、実際はもっとオレンジ色に近い目が覚めるような残照だった。

お土産店のショーウインドー。おいしそうには見えないけれど、でもローカル色の濃いお菓子なので、一応、撮影しておく。

こちらも、全然おいしそうには見えないけれど、一応。ベルナーオーバーラント三山を背景にクマが橇やスキーヤーやアイスホッケーをしている絵柄入りチョコレートケーキ。

こちらはチーズフォンデュの卓上セット。モチーフはエーデルワイス。95年の取材時にトレッキングをした際、実物を目にしたが、それはそれは小さくて、とても可憐(地味)な花だった。

散歩しながら「夕食はこの店で」と目を付けていた店が満席で1時間待ち。第二候補も1時間待ち。やむなく第三候補のピザレストランで30分待ちすることに。バーでスイスのビールを飲みつつ、タバコの煙にまみれつつ、待つ。

それにしてもスキー客の多いこと!

わたしたちはマルガリータ・ピザとヤギ肉(マトン)のグリルをオーダー。ピザ用の釜で焼かれたマトンのおいしいことに感激! 香ばしくて、臭みもなくて、程良い歯ごたえで、こんなにおいしいマトンを食べたのは初めてだった。それにしても一皿のボリュームが多すぎ!

マルガリータはチーズが過ぎるほどにたっぷりとかけられていたがおいしかった。食後はエスプレッソ。コーヒーに添えられるミルクはキャップのデザインがユニーク。これはイラストだが、スイスの名所の風景写真がついたシリーズもある。コレクターがいるに違いない。

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