COTE D'AZUR / BIOT&ANTIBES
コート・ダジュール/ビオット&アンティーブ

2/17/2003 PART2


ビオットからバスでアンティーブに戻ってきた。まずは観光案内所で地図をもらい、街の目抜き通りを歩きつつ、海辺にある城を目指す。

紀元前4世紀に、マルセイユのギリシャ人たちがここに商館を開いたという。海に面して立つ城塞は、バーバリー人の海賊たちから町を守るために12世紀に建立され、16世紀に再建された。現在、城内にはピカソ美術館になっていて、彼の版画や陶器などが所蔵されている。

町には有名なフランス人イラストレーター、レイモン・ペイネ(1908-1999)の美術館もあるというので、そこにも立ち寄ることにした。


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ここがアンティーブのバスターミナル。ここからビオット行きのバスも発着している。

郵便局の車。フランスでは、日本で「赤」を使うところに、黄色や青を使っているように見受けられる。

日本人の目には赤が、フランス人の目には青が一番に飛び込んでくると言う話をきいたことがあるが、本当はどうなのだろう。

観光案内所がある広場、Place General De Gaulle。オレンジの木と青空と、ホテルの白い建物がまばゆい。

ちなみにスペインの南部にも、このようにオレンジの木のある広場が多かった。

早くもおいしそうなものを発見! 

イタリアンジェラードのショップにて。それにしても、この、フワフワ、モコモコとまるで入道雲のように盛り付けられたジェラードの魅惑的なことと言ったら! 一口ずつ味見させて〜という気分。

たいてい甘いパンばかりを見かけるが、これらはどうやらお総菜パンらしい。チーズやチョリソー、生ハムなどが入ったパンのようだ。

黄金色に焼き上げられたブリオッシュ。バターの風味がきいていて、きっとおいしいんだろうなあ……。

こちらはイチゴのジャムが織り込まれたサブレ。結構、ずっしりした感じだ。

素朴なプチ・ガトーの数々。エクレアもおいしそうだが、シンプルなチョコレートケーキもおいしそうだ。

プチ・ガトーの手前にあるのは、多分リンゴや洋ナシのタルト。ほどよい焦げ目が「素朴なおいしさ」を連想させる。

これはアーモンドスライスの載ったラングドシャ(猫の舌)クッキー。口に入れると柔らかく溶けるような舌触りが特徴のやさしいクッキーだ。

ありがちだけれど目を奪われるストロベリータルト。ゴツゴツと粗く焼き上げられた(と見受けられる)タルトにカスタードクリームを載せ、イチゴをズラリと並べている。

Bijoux(宝石)と名付けられたお菓子。シュー皮っぽくも見える。

うわーっと派手なキャンディーショップを発見。プロヴァンス名物の土産用お菓子、といった感じのキャンディーやチョコレート、クッキーなどが並んでいる。

下に並んでいるのはニース名物のフルーツの砂糖漬け。

こちらはアメリカに比べると上品な印象のチョコチップクッキー。きちんと型抜きされていて、見た目がきれい。

歯にべったりとくっつきそうなキャラメルの数々。

フルーツを象(かたど)ったチョコレートの菓子。砂糖でコーティングされているようだ。

こちらも左と同様。白い楕円形のお菓子は、アーモンドのお菓子カリソン・デクス。

これはオリーブに見立てたチョコレートのお菓子。カラフルで凝っていて、見た目には楽しいけれど、味の方はどうなんだろう。まあまあという気がしないでもない。

こちらはお総菜パン

左のグリーンのお菓子はピスタチオのクッキーではなかろうか。右は松の実のようなものが載ったクッキー。どちらも甘さ控えめ、という雰囲気が漂っている。

真っ赤なフルーツの砂糖漬けが載ったクッキー。そういえば、昔の日本のケーキって、こういう砂糖漬けのフルーツがたっぷり載ってたような気がするけれど……。最近は見かけない気がする。

この店はちょっと気取ったお菓子が並んでいる。アーモンドのタルト、後ろはフランス(パリ)名物のマカロン。

左からプラムに洋ナシ、アプリコット、別の種類のプラム、後ろがアーモンドのタルト。どれもフルーツがたっぷり。

この店は少々斬新なデコレーション。マカロンをぺたぺた貼り付ける感覚が、アメリカのチーズケーキにオレオを貼り付ける感覚に近くて、ちょっとダサイ。

直角三角形のケーキ。切り分けにくいような切り分けやすいような……。

それにしても、なぜにこの街はこんなにお菓子屋さんが多いのだ! さて、こちらはレモンパイ(綴りが下手!)にアプリコットタルト、チョコレートケーキ(オペラ)……
キャプションを書くのにも飽きてきた。

こちらはお菓子作りの道具の店。

こちらもお菓子作りの道具の店。

お菓子のショーウインドーばかり追いかけていたが、通りはこんな感じ。今わたしは、海辺の城に向かってあるいている最中なのだが、お菓子屋で寄り道してばかりでなかなかたどり着かないのである。

ああ、またお菓子だ。この店のケーキは斬新なデコレーションながらも洗練されていて、おいしそうに見える。

このケーキも、デコレーションは派手だけれど色合いがいい感じ。

中央のケーキはパンナコッタだろうか。上に載っているのは食用ほうずき。この食用ほうずきは、甘酸っぱくてとてもおいしいのだ。

日本の、オレンジで苦みのあるほうずき(食べたことはないが、なめたことあり)とは全然違う味。

これはメレンゲに砂糖を加えた焼いたものだと思う。軽くてフワフワしたお菓子。

ここにもまたケーキが。だいたい、需要あっての供給だと思うのだが、この町の人々はよほどケーキを食べるのだろうか。

わたしはRue de la republigue(通り名)を歩きつつ、海辺を目指している。途中、随所にカフェがあって、人々がコーヒーを飲んだりタバコを吸ったりしゃべったりしている。

この一画のカフェもすてき。なんだか海が近づいてきた気配。

ついに、建物の間から、目が覚めるようなブルーの海が!

空と、海と、石塀の、三色の国旗。

模様入り国旗。

これが海を望むお城(Chateau Grimaldi)。

この小さな城と城壁が、遠い昔、海賊からこの町を守った。

彼方に、ぼんやりと、雪をいただいたアルプスの山並みが望める。美しい海と、美しい山が一気に望めるとは、なんてすばらしい場所だろう。

吹き抜ける風が、ともかく、気持ちいい。時間がゆっくりゆっくりと流れている気がする。

教会(Cathedrale d'Antibes)と鐘楼。

城の中はピカソの美術館になっていた。館内は写真撮影は禁止だったので、バルコニーの風景を。

大きな彫像の「目」の部分。

城を出た後は、界隈をふらふらと散歩することにする。路地を歩く。

路地を歩けば、拾い上げたい、小さくて、心に残る風景が、そこここに散らばっている。

たとえばオレンジ色の壁と、薄紫のドアと、パンジーの花。

誰かの家の表札。

ベーカリーの看板など。

おかしないたずらをされた道路標識も。

この町でも、毎朝ここでマルシェが開かれるのだろう。昼下がりの今は、ガランとしていて、車が停められている。

もういいってば。と思いつつも、お菓子を見つけると足をとめてしまう。だって、どの店もそれぞれに、違ったデコレーションの違った菓子を並べているから、見過ごすことができないのだ。

ここのエクレアもまたつやつやとしておいしそうだ。隣はレモンタルトかな。

レイモン・ペイネの美術館に立ち寄った。かつてフランスの新聞や雑誌やポスターを彩った、愛や夢をモチーフにしたさまざまなイラストが収められている。見るからに心が和むものばかり。

かつて日本でも彼の著作が出版されたようだ。しかし、右の本のタイトルは、ちょっとなあ……。イラストとタイトルと帯の台詞とがかなりミスマッチで、時代を感じさせる。

レイモン・ペイネの美術館(Musee Peynet)は広場(Place Nationale)に面している。

さあ、そろそろ夕方近くなってきた。A男のカンファレンスも終わる頃だから帰るとしよう……。と駅に向かう道すがら、食料品店をのぞく。夕方の町は昼休み明けで活気に満ちていて、人々の出入りも多いのだ。

こちらはお総菜用のキッシュ。

サラダやサーモン、肉などの冷菜類。

また見つけてしまったお菓子。これはシンプルなサブレ。でも表面には砂糖がたっぷり。

こちらはドーナツ風の揚げ菓子に粉砂糖がたっぷりとまぶしてあるもの。昔ながらのお菓子、という感じで、おいしそう。

フランスでは、こうしてバケットを持ち歩く人達を本当によく見かける。小脇に抱えて、ハンドバッグやバックパックに差し込んで、紙袋に入れて……。バケットは袋に入れられたりせず、ほぼ「素」のまま。とても食べ物に対する扱いとは思えぬ手荒さではあるが、彼らの食卓には不可欠な一品なのである。

フランス人からバケットとコーヒーとクロワッサンを奪ったら、3日で争乱起こるのではないだろうか。いや1日ともたないかもしれない。それくらい、生活に密着している。

電車の時間までまだしばらくあったから、カフェで休憩することにした。本当は甘いお菓子を食べたかったが、それでなくても食事はこってりしたものが多いから、レーズンパンとミニクロワッサンで我慢。それなりにおいしかった。

今日はずいぶん歩いたから、昼間のクレープだけではどうしても夕食までもちそうになかったのだ。

帰りの列車は昨日と違って快速に乗られたから、車両もきれいで快適。のんびりと帰宅。というか帰ホテル。

今夜もまたあまりに寒く、外を散策する気分にならなかったので、夕食はホテルのすぐそばにあるビストロですませることにした。
シンプルだけれど居心地のいいインテリア。壁に掛けられたモノクロ写真の、石畳がなんともいえずいい。

今夜は赤ワイン。料理を待つ間、小粒のオリーブと共に味わう。1本は飲みきれないので残りはホテルに持って帰った。

魚のスープと魚介類のグリルをオーダー。これはブイヤベースについてくるのと同じ、魚のスープ用の調味料。クルトンの上に、好みでガーリック入りのマヨネーズ、アイオリ(aioli)とチーズを載せ、スープに浮かべて(もしくは沈めて)食べる。

ちなみにこのアイオリはオレンジ色で赤トウガラシが入っているから、正式にはルイユ(rouille)と呼ばれる。スープの味が、より一層濃厚になる。

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