■ブライス・キャニオンを経て、一路、ラスベガスへ
ついに、国立公園大自然の旅も今日で終わりだ。朝、キャピトル・リーフを出発したわたしたちは、一路、西を目指す。
昼前に、ブライス・キャニオンに到着。ここがまた、赤土のユニークな景観が広がる大峡谷なのだ。
連日、絶景のオンパレードの中に身を置いてきたが、この景観にもまた大いに心を引かれた。
何カ所かある展望台をいくつか巡り、少し歩いたりしつつ、国立公園の日々に幕を閉じる。
園内のカフェで軽いランチをすませた後、いよいよラスベガスである。
またも運転を交代しながら、ひたすら車を走らせる。一度来た道なので、特に気合いをいれて風景を眺めることもなく、寝るか、運転するか、ぼーっとするかしつつのドライブだ。
そして夜、7時頃。ようやくラスベガスに到着。だだっ広い大自然のただ中とは、まるで両極端な、この過剰なまでに賑やかな町。いったいどれほどの電力を消費しているのだろうと想像せずにはいられない華美さ。
街全体がまさにアミューズメントパークで、疲労した身には、何がなんやら意識が朦朧とする不思議な場所だ。
■ラスベガスの、終わらない夜
車を降り、チェックインをし、ホテルの部屋へ。ミラージュは他のホテルに比べると古めだが、部屋は広く快適だ。ともかく、まずはシャワーを浴びる。
すっきりとしたあと、ホテルで夕食をとることに。ヌードル・ショップという中国料理店があったので、軽めの食事をしたかったわたしはそこを提案。お粥や海鮮麺は、どれも繊細な味付けで、薄味。
想像以上においしくて、心身共に、非常に落ち着いた。
食事を終えたのは夜10時半。ともかく、疲労困憊していたし、どうせ3泊するのだから今日のところはゆっくりしたいと思うが、A男がどうしても「町を歩こう!」というので、やむなく5人で外へ出る。
ミラージュの向かいには、泊まりたいと思っていたベネチアン。イタリアのベネチアをテーマにしたホテルだ。
ひとまず、ここを訪れてみることにする。
それにしても、なんて派手で、賑やかで、改めて、むちゃくちゃに電力を消費している町だろうと、呆然とする。
こっちのホテルで火山が噴火し、あっちのホテルで噴水が上がり、ネオンはそこらじゅうできらめき、24時間、カジノは喧騒に包まれ、もう、何が何だかわからない。
理屈抜きで、アメリカって、変な国だ。と思った。