BOSTON
●ボストン●

6/21/2003

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■マックス&カラの結婚式は町はずれの樹木園にて行われた

エンジニア(工学者)であるマックスとサイエンティスト(科学者)であるカラは、オリジナリティにあふれる結婚式を企画していた。招待状をもらったときには、思わず笑ってしまった。なぜなら

「結婚式を行う樹木園から、披露宴会場まで、約1時間、サイクリングをします。一緒にツーリングしたい人はご連絡ください」とあるのだから。

「サイクリング王」であるマックスは、これまでも相当の長距離を自転車で行き来してきたから、1時間くらいなんのその、なのである。だからって結婚式に自転車を取り入れるとは、尋常ならない。

それでもってパートナーのカラも彼とその趣味を共有できているところがすごい。

さて、当日は曇天のボストン。雨を気にしつつ、午後3時過ぎ、結婚式の会場である樹木園へ向かった。式は緑の草原の一画で、参加者が輪になって行われた。

仲間たちによる手作りの結婚式に、教会の祭司はいない。友人らが司会、進行、そして独自のスタイルで「誓いの言葉」や「指輪の交換」を行うのだ。なんともほのぼのと、温かみのある式だろう。

司会者がマックスとカラの「なれそめ」などを読み上げている間、マックスの目から涙がポロポロとこぼれていた。ちなみにカラは平常心の表情である。

約1時間ほどで式は終わり、さていよいよ、ツーリングである。驚いたことに、参加者約80名のうちの約半数が自転車で披露宴会場に行くという。みんなバックパックなどを背負ってきていて、木陰で着替えてヘルメットを被り、小雨のなか、颯爽と走り出した。

マックスとカラは、気のあった、いい友人らを持っているのだなあと、しみじみ感じ入る。

ところで主役の二人は特製自転車で、正装のまま街を走り抜けるらしい。なんとユニークなことか。

ヤワなわたしとA男は、タクシーで会場のあるハーバード・スクエアへ。パーティー開場の時間まで、カフェでしんみりと語り合う。

常日頃から、なにかと喧嘩の絶えないわたしたち。

「マックスとカラは、喧嘩なんてあまりしていなさそうだよね」
「マックス、幸せそうだよね」
「それにひきかえ、わたしたちは……」
などと言いつつ、我が身を振り返るひととき。

2年前のわたしたちの結婚式。すでに出会って5年目で、初々しさなどほとんどなく、しかもインドのニューデリーで、ハチャメチャなノリの毎日。「厳粛な気持ち」になんて少しもなれず、式の最中も「妙な式次第」がおかしくて、笑いをこらえていたわたし……。

もう一回、結婚式をやり直したい。厳粛な気分で。しかもウエディングドレスで、などと思いを巡らす。

 

■披露パーティーは、ミュージアムのパティオで。

パーティーは、ハーバード・スクエアのはずれにあるミュージアムのパティオで行われた。天井が高く、外光が降り注いでくる、とてもすてきな空間だ。

入館してしばらくの間は、ワインなどを飲みつつ、他のゲストらと語り合う。バンドの音楽が流れ始め、参加者が集まったところで、指定されたテーブルに着く。

メニューはベジタリアン。ブルーベリーのスープに始まり、ホウレンソウとアルギュラのサラダ、そしてワイルドマッシュルームなど野菜のロースト。いずれも上品で繊細な味わい。

同席のゲストたちと語り合いながらの食事は楽しく、途中、ちょっとした出し物やスピーチなどもあり、いい雰囲気で時が流れる。ケーキカットのあとは、バンドの演奏に合わせてのダンス・タイム。

みんな踊る。

スジャータとラグバンも踊る。

ロメイシュと誰かイタリア人のおばさんも踊る。

わたしとA男も踊る。

もちろん、マックスとカラも、手を取り合って踊る。

飲んでは踊り、語っては踊り、瞬く間に夜が過ぎていった。


町はずれの樹木園で結婚式


感涙のマックスとその家族


こちらはカラとその家族


友人らが祭司代わりに


指輪の交換


そして誓いのキス!


大マックスと小A男


二人が乗った特製自転車


ミュージアムが披露宴会場


イタリア人家族と記念撮影


↑二人が子供時代の写真。どちらも賢そうなこと!
→雰囲気のいい館内


メニューはベジタリアンだ


シンプルで上品なテーブル


ちょっとした余興もあり


バンドの演奏に合わせて踊る


深紅のバラがたっぷりあしらわれたウエディングケーキ


二人手を取り合って、ケーキカット

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