●出会い、結婚。新しいキャリアへのチャレンジと将来……

やがて、家族同士で交流があり、子供のころから顔見知りだった3つ年上の男性、アナンダと付き合い始める。

「彼は家族円満、非常に安定した家庭のもとで育ち、精神的に落ち着きのある人でした。当時は、自分のことは自分でやるんだと肩肘を張っている一方で、自分自身のアイデンティティに揺らいでいたわたしにとって、彼は大きな支えになっていきました」

だからといって、すぐさま「結婚」というわけにはいかなかった。

「わたし自身は、一応、ムスリムということになっています。けれど彼の一族はヒンドゥー教徒です。彼はバンガロール育ちですが、一族の故郷はインド北部のパンジャビ地方。もしも身近な家族にわたしたちの結婚を反対する人がいたなら、わたしは結婚をするつもりはありませんでした」

アナンダは、まず両親に相談した。幼い頃からマリアムたち一家を知っている彼らは、息子の意志を尊重すると言った。しかし、故郷の親戚らをどうやって説得するのか、両親は息子に問うた。

「すると彼は、年に一度会うか会わないかの親戚のために、結婚するんじゃない、自分の人生のために結婚するのだから、彼らがたとえ干渉したとしても、わたしと結婚すると言ってくれたのです」

そして2001年。マリアム25歳のとき、アナンダと結婚。バンガロールの地で、典型的なパンジャビスタイルの豪勢な結婚式を一週間に亘って挙げた。

「双方の親戚が、インド国内はもちろん、世界中から集まってきました。総勢千人の参加者です。結婚式は、インド式ではあるものの、特定の宗教には限定されない形で行いました。それはそれは、盛大なセレモニーが続きました」

建築業者として多忙を極める夫アナンダとは、しかし時折ドライヴや旅行に出かけ、二人の時間を楽しんでいる。

2年前、夫や友人の勧めもあり、モデル以外の仕事をと、ジュエリーショップを開店した。今は、モデルとショップオーナーの兼業だが、実は、次なるビジネスをスタートさせるべく準備中だ。

それは、旅行好きな彼女がぜひとも実現したいと願っていた旅行関係の仕事だという。

「今はまだ、時期ではないけれど、近い将来、子供も欲しいと思っています。けれど、自分たちの子供とは別に、少なくとも一人は、養子をもらって育てようと思っています。インドには、親のいない、無数の貧しい子供たちが存在しています。そんな子供たちの、一人でも、家族として育ててあげたいと思うのです」

彼女がそんな話をすると、友人らの大半は眉をしかめる。けれど彼女はまったく意に介さない。

「わたしは、突然、父を失い、母も失いかけました。身を以て、明日、何が起こるかわからない、という経験をしたからこそ、やりたいことは、なんだってやろうと思うのです。こうあらねばならない、などという枠に囚われず、やりたいことに挑戦したいと思っています」

(Interview: July 13, 2006)

 


2006年2月。マルハン家でのパーティーにて。
左から姉のザイナブ(ビューティーサロン経営)、
母のゲイリング、ウマ、マリアム、ロメイシュ。



[マリアムが経営するジュエリー&ファッションブティック]
art and costume jewellery
One g

The Hatworks Boulevard
32, Cunningham Road (Next to Foodworld)
Bangalore 560095
Telefax: 91 80 41231231
Email: onegjewels@gmail.com
Open 11:00 am to 8:30 pm/ All days

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