坂田マルハン美穂のDC&NYライフ・エッセイ

Vol. 95 5/7/2003

 


日本のゴールデンウィークもそろそろ終わるころでしょうか。思えば東京で働いていた頃は、ゴールデンウィークにきちんと休みを取った経験がなく、いつも他人事のように「行楽地」や「渋滞」のニュースを見ていたことを思い出します。

さて、日本のゴールデンウィークにあたった先週、またもや3泊4日でニューヨークに行きました。いつもならば、この時期、日本からの観光客をたくさん見かけるところですが、今年は、テロの余波を受けていた去年以上に、日本人が少なかったように思います。

戦争、SARS、飛び石連休、その他。いろいろな理由があってのことでしょう。

ワシントンDCは、ここ1カ月で街の緑がぐんぐんとものすごい勢いで成長し、枯れ木越しに見えていた向かいの建物も、すっかり木々の葉に隠れて見えなくなってしまいました。

その分、花粉はたいへんなボリュームで、窓を開け放したのち、ティッシュなどで出窓の部分をふき取ると、まるで「抹茶」のような色に染まります。花粉症の人には耐え難い街かと思われます。花粉症でなくても、こうして花粉について書いているだけで、急に目がショボショボしてくるから不思議です。

 

●ツツジの花が満開の国立樹木園へピクニックに出かけた

ワシントンDCの北東部には、国立樹木園(National Arboretum)と呼ばれる広大な公園がある。広々とした草原を取り巻くように森林が広がり、季節ごとにさまざまな樹木が花をつける。そもそもアグリカルチャーのリサーチと教育のために誕生した施設だが、一般にも開放されている。

なんの遊戯施設もなく、ただ「自然」があるだけ。しいて言えばテーブルとベンチがあるピクニックグラウンドが用意されている程度だ。そんな素朴な公園ながらも、気候がいい時期の週末などは、家族連れで賑わっている。

去年のちょうど今頃、A男が出張でどこかに出かけていた折、わたしは知人からこの樹木園のツツジの美しさを聞きつけ、一人で出かけた。ちょうど盛りを過ぎたばかりの頃だったが、それでも、森の中に群生する白や赤、ピンクと、色とりどりのツツジの美麗さに心を奪われた。

日本の庭園に見るそれのように剪定されてはおらず、ただ、伸び放題に、広がり放題に、自由に咲き誇っているツツジは、日本にいたときに感じていた、「渋い花」「地味な花」という印象とは異なり、なんとも可憐に見えた。「アゼリア」という英名の、かわいらしい響きのせいもあるかもしれない。

そのアゼリアを今年はA男にも見せたいと思い、好天に恵まれた2週間前の日曜日、お弁当を持って出かけた。

入り口近くには、日本風の庭園があり、盆栽のコーナーがある。折しも「生け花」の展示会が行われていたので、そこをのぞいたり、池の鯉に餌を与えたりしたあと、草原に出る。

遠くまで広がる鮮やかな緑の草原に立つと、思わず駆けだしてしまいたくなる。いや、駆けださずにはいられない。

ツツジを見に行く前にすでにお腹が空いてしまい、大きな木の下でお弁当を広げることにする。

暑くもなく寒くもない、気持ちよく肌をすべる爽やかな風と、芝生のひんやりとした感触と、きらきらとした木漏れ日と、まぶしいくらいに青い空と、そこここから聞こえてくる鳥のさえずりと、彼方から届く子供らの歓声と、しっとりとした海苔の香りがするおむすび……。 

前夜の残りのポテトサラダと、おむすびだけの簡素なお弁当だったけれど、それはこの上なくおいしい昼餐だった。

おむすびをたらふく食べたあとは、ごろりと草の上に寝転んで、空を見上げる。こういうとき、彼方から聞こえる飛行機のエンジン音というのは、なぜかとても懐かしい気がする。

しばらく草の上でごろごろしたあとは、いよいよ園内の散策だ。アゼリアは満開で、それはそれは見事な咲きっぷりだった。細い小径をくぐり抜けながら、無闇に記念撮影をしながら、ひたすらに歩く。すれ違う人みな、口元がほころんで、穏やかな顔をしている。

園内は相当に広いので、車や専用トラムで巡ることもできるのだが、わたしたちはエクササイズを兼ねて歩くことにした。アザレア・ガーデンを過ぎてからも、ドッグウッド(ハナミズキ)の森や、アジアの庭園などまで足をのばす。途中でタンポポの種を吹き飛ばしたり、木陰でおやつ休憩したり、大きな木の幹に抱きついたりしつつ、歩く。ちなみに木登りは禁止である。

結局、3時間以上は歩いただろうか。気が付いたら閉園間際の4時半になっていて、慌てて引き返した。新鮮な空気が身体一杯に満たされた気がして、とても気分のよい午後だった。

この国立樹木園では、春にはマグノリア(モクレン)やサクラを、初夏にはアザレア(ツツジ)やドッグウッド(ハナミズキ)、ピオニー(シャクナゲ)、ローズ(バラ)、アイリス(アヤメ)を、夏にはリリー(ユリ)、各種ハーブ、そして秋には美しい紅葉などを見ることができる。

ここに当日の写真を掲載しています。

http://www.museny.com/dctravel/dccover.htm

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U.S National Arboretum

3501 New York Ave. NE Washington, DC 20002

(202)245-2726 www.usna.usda.gov

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●語学学校、ひとまず終了。今後の英語への取り組みについて

試しに1カ月通った英語学校集中コース。久しぶりに「勉強の習慣」が蘇った日々だった。一日4時間のクラスに加えて、帰宅してからも宿題をせねばならず、試験前には神妙に、週末返上(ちょっと大げさ)で学習にいそしんだ。

非常に時間に追われた日々だったが、同時にユニークな経験でもあった。

なぜ今更英語の勉強やり直すのか、という読者からの質問が数件あった。その理由は前回書いていたつもりだったが、もう少し、詳しく書いてみるとする。

正直なところ、ニューヨークに住んでいた頃は、いい加減な英語でも、それなりに「気分よく」やってこられた。移民ばかりの街で、適当な英語をしゃべっている人が多いこともあり、自分の英語力を省みる機会も少なかった。加えて目先の仕事をこなし、生活をしていくことが優先事項で、じっくり勉強をしようという精神的・時間的余裕もなかった。言い訳である。

しかし、DCに移ってから、自分の英語の未熟さを痛感させられることがしばしばだった。こちらで出会う日本人はアカデミックな人が多く、きちんと勉強をしている人がほとんどだ。同じ日本人でもニューヨークとは傾向がかなり違う。

もちろん、ニューヨークの友人らも、こちらの大学に通った経験のある人はきちんとした英語を身につけているが、DCと違ってそうでない人も多いのだ。

DCで暮らすようになってから、A男と一緒にパーティーなどに出かける機会も増えた。特にA男の会社の人たちの前で、美しくない英語を話すのは、わたしにとってだけでなく、彼にとっても好ましいことではないと思えることもあった。だんだん、自分の英語の「カジュアルで場当たり的なノリ」が恥ずかしいと思えてきた。

ニューヨークは、「たいして英語ができなくても、会社を作って、やりたい仕事をやって、収入を得て、がんばってるぜ!」という「熱いノリ」が通用した世界だった。

しかし、DCは違う。もう、ぜーんぜん違う。「体当たりでやったるで〜!」みたいな人は、あまりいない。というか、ほとんどいない。だから、そういうノリで生きていると、浮く。いつまでも勢いだけで勝負してちゃ、多分だめなのである。

まあ、他人からの評価はともかくとして、わたし自身、もっと広い世界で「自分を正当に表現する」には、ともかくアカデミックな英語を身につけなければならぬと痛感したのである。

とはいえ、語学学校の集中コースをこれ以上続けていては、他の仕事に差し支えるので、ひとまずはここで休止し、別の週数回のクラスを取ろうと思っている。なかなか「これ」といった学校、あるいはプライベートのクラスが見つからず、今、よさそうなところを探しているところだ。

もちろん、先月末、学校を終了してからも、毎日一定の「学習時間」を設けるようにした。それに伴い、日本語を読む機会を削ることにした。善し悪しはあろうけれど、この際、当面は「一兎」に焦点を絞ろうと思った次第だ。

今まで日経新聞と読売新聞の衛星版二紙を購読していたが、これも後ろ髪をひかれる思いでやめる。それでもって、ワシントンポストは夫婦揃って好きではないので、DCに住んでいながらもニューヨークタイムズを取りはじめた。

日本の新聞を読んでいた時間(かなり長かった)を利用してニューヨークタイムズを読む。パラパラとめくるだけ、ではなく、「じっくりと読む」という姿勢に変えようと思っている。

わたしの場合、睡眠時間は7〜8時間、確保しないと頭が冴えないので、それを削って勉強しようなどとは全然思わない。従って、何かの時間を減らして英語の勉強に充当するしかないのだ。

あと、ついついどうでもいいサイトをのぞいたりして、どうでもいい文章を読んでしまうという行いもやめることにした。インターネットは便利であると同時に時間をびゅんびゅん吸い取る力もあるから危険だ。その分、テレビを見て「英語を聞く時間」も増やす。

A男はわたしの英語力に合わせて「簡単な単語」を使ってしゃべる癖が付いているから、彼と会話をしていても大して成長しないのである。かといって、難しい単語を乱発されると会話が中断して面倒だし。矛盾したことを言っている気もするが、まあいろいろと厄介なのである。

こうして「決意表明」を書き連ねていると、たいそうストイックに見られるかもしれないが、そうでもない。根が怠慢なわたしのこと。遊ぶ時間もだらだらする時間もあってのことである。そもそも、もっと根性があれば、在米7年にして、こんなにじたばたとあがく必要はなかったのである。こうして間接的に周囲に「宣言」することで、自分を鼓舞している次第だ。

正直なところ、いつまで続くか自分でも果てしなく自信がない。

幼児期からバイリンガルだったらどんなによかっただろう……。と不毛な空想をする午後である。

 

●ニューヨークのホテルに期待するなかれ

今回は、久々にニューヨークのことをしっかりと書こうと思ったのに、前の2本で思わずたっぷり書いてしまった。

1カ月前に行ったばかりなのになぜ行くことになったかと言えば、たまたまA男が出張でマンハッタンに3泊4日することになったからだ。わたしは語学学校もあるし、さぼるわけにもいくまい、と思っていたのだが、A男が

「ウォルドルフ=アストリアに泊まるんだよ! 美穂も来ればいいじゃ〜ん」

としつこく誘惑するので、やむなく(!)行くことにしたのである。

ウォルドルフ=アストリアとは、ミッドタウンのパークアベニューに面した場所にある由緒ある古いホテルだ。世界各国の要人が宿泊する高級ホテルとして知られている。無論、VIPが宿泊するのは、「ウォルドルフ=タワー」という別棟で、そこはたいそう豪勢なスイートルームがそろっているようだが、当然わたしたちは、一般庶民向けの部屋である。

とはいえ、いつもなら大したことのないホテルに高い宿泊費を払ってニューヨークに滞在しているわたしである。宿泊費が無料とあれば、この機会を逃す手はないだろう。

ちなみにホテルの室料は、宿泊者が一人だろうと二人だろうと同じである。更にエキストラベッドを頼んだ場合、追加料金がかかる。

さて。期待して出かけてみたものの……。結論からいうと、やっぱり、ニューヨークのホテルはよくない。との思いを新たにさせられた。

一般庶民向けの部屋とはいえ、1泊300ドルはするのである。もちろんA男の会社の出張費だからまあ、文句をいうのもはばかられるが、まず、部屋が狭い。部屋が狭いのはマンハッタンだから仕方ないとはいえ、しかしどうにも窮屈だ。

ベッドの寝心地がよかったのが救いだったが、もちろん眺めなど最悪。隣のビルの汚い壁面を眺めるのみ。これもまあ、マンハッタンだから仕方がない。

しかし、前夜にオーダーしておいた朝食ルームサービスが1日目は20分遅れで、2日目は間違ったメニューを届ける(パンケーキのかわりに、砂糖がべとべとの甘ったるいペイストリーが届いた。朝から食べれん!)というのはどういうことか。改めてパンケーキをオーダーしたら二重請求になっていたのも呆れる。しかも料理が届いたのは30分後だ。

わたしはいいとしても、朝からアポイントメントが入っているA男はきちんと朝食を食べられずご機嫌斜めのまま出かけていった。

更には深夜、隣室に泊まっている一家の子供が大騒ぎ。「うるさいから何とかしてくれ」とホテルに頼んでも、何とかならないまま騒ぎは続き……。結局自ら、となりの部屋へ苦情を言いに行く。

部屋に備え付けられているゲスト・ディレクトリの「支配人からのメッセージ」を読むと、このホテルのサービスのコンセプトは、「困難なことは数秒後に、不可能なことも、それより少し時間を要するが、必ず解決!」などと豪語しているが、どうしたもんだ。という感じである。

いくら自分で払わないとはいえ、最終日、税金その他込みで1000ドルを大きく超えた請求書を見たときには、納得のいかなさに心が乱れた。

とのっけから、不満げなことを書き連ねたが、今後ニューヨークを訪れる予定の方々が、ホテルに対して過度の期待をなさらぬよう、悪い点を書き記しておく次第である。

ニューヨークで、値段に見合った快適なホテルに滞在できたとしたら、それはとても、幸運なことである。

 

●ニューヨーカーのファッションをちょっとだけチェック

今回の3泊4日は全般にわたり、概ね晴天に恵まれ、それだけでかなり「いい滞在」になった。あれこれ文句を書き連ねたあとではあるが、一応、滞在はウォルドルフ=アストリアで「優雅な感じ」だから、それなりに気分もいい。

前回はアッパーウエストサイドに滞在したが、今回はホテルが東側だったので、主にミッドタウンの五番街から東、そしてアッパーイーストサイドをうろうろとした。

それに加え、ソーホーで働いている友人とランチの約束をしていたので、ウエストヴィレッジあたりからソーホーまで久しぶりに歩いた。

マンハッタンを歩いていると、DCでは決して感じ取れない「ファッションの流行」がすぐにもわかるのが楽しい。ショーウインドーを眺め、道行く人々の服装を眺め、それだけでも楽しい。

超ローライズの「パンタロン風」パンツや、ポケットが付いて裾を絞った「作業着風」パンツが目に付いた。いずれも日本人の体型には厳しい流行だ。色合いは白やベージュを中心に、抑えめのブルーやピンクなど、シックなものが目立った。

ジーンズを買おうと思ったが、どれもこれも超ローライズばかり。そうでないものは奥の方においやられていて、なんだか地味な感じ。いくら厚かましいわたしでも、お腹を見せつつ歩けるプロポーションではないし、あれこれ見比べては見るものの、試着せぬまま。

しかし、こちらじゃ、わたしよりもはるかにボリュームのあるお腹をぶよんぶよんと露出して歩いている女性たちも少なくなく、いやはや、堂々としたものである。というか、結構、見苦しいものである。

エレガントな路線は、大きなリボンをあしらった「パッケージのような服」が目だった。やはり色合いは淡いファンシー系。

スカート丈は微妙な膝丈が多く、パンツのローライズに並んで、こちらも「ヒップボーン」的なものが多かった。あと、数年前から流行っている「太いベルト」もバラエティ豊かである。

とまあ、あれこれ書き連ねるときりがない。

今回は、ブルーミングデールズやバーニーズニューヨークなどデパートメントもしっかりと徘徊してきた。アメリカの他都市と違って、全体に「サイズが小さい」のもやはりニューヨークだと納得する。とはいえ、日本よりははるかに大きいけど。

あと、アッパーイーストサイドなどを歩いていると、犬の散歩などをしている「全身をいやみなく高級品でまとめた品の良いおばさま方」とすれ違ったりして、またそれがいい感じだった。わたしもおしゃれに気をつかいたいものだと思わされる。

ことにアッパーイーストサイドは高級宝飾品店やアンティークショップなどが多く、ただウインドーショッピングをしているだけでも、「美術館巡り」に似た「目の保養」を楽しめる。

マンハッタンにいると、本当によく歩く。実に、いいものだ。

 

●マンハッタンにおける今回の「食」レポート

今回もまた、ランチ&ディナーは、もれなく友人らとの約束を入れた。初日の夜は友人と計4名でロブスター&カニを食べに行く。普通なら、甲殻類を食べるとき、人々は無口になりがちだが、そういうことは一切なく、ひたすら食べ、しゃべり続けた夜だった。

その後、コンファレンスを終えたA男と合流し、ホテルの近所を散歩しているうちに、カラオケ「デュエット」を発見! ついつい吸い込まれるように入ってしまう。プラムワイン(梅酒)を飲みながら、久しぶりにA男の「すばらしい歌唱力」によるABBAの「ダンシングクィーン」など70年代ヒット曲の数々を聞いて、くらくらと酔いが回るようだった。

以前も書いたが、A男は70年代のヒット曲を80年代に聞き親しんできたらしい。インドは世界の流行から10年遅れているのか。などと書いたらインドに失礼か。

翌日のランチはソーホーの友人に連れられてチャイナタウンへ。SARSのせいで、感染者がいるわけでもないのに、チャイナタウンは閑散としているらしい。確かに言われてみれば、いつもよりも人が少ない気がする。そんなチャイナタウンにあるベトナム料理店へ。

牛肉スープのライスヌードル(米麺)がおいしい店で、ベトナム風春巻きにはじまり、麺類、チキンのグリルなど、昼間からたらふく食べる。たらふく食べたにも関わらず、びっくりするほど安く、大いに気に入った。かなり「本場の味」が味わえる大衆食堂だった。

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PHO BANG RESTAURANT

157 Mott St. (bet. Grand & Broome Sts.)

212-966-3797

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夜はR子と待ち合わせて、よく行くミッドタウンの日本料理店SEOへ。ここは以前も紹介したが、稲庭うどんが食べられる店である。今回は食べなかったけど。新鮮な刺身や、品のいい味付けの一品料理など、どれもおいしかった。

DC界隈にはおいしい日本食の店がないから尚更うれしい。ちなみにSEOはカラオケ「デュエット」の向かいにあり、最初からその心づもりで気合いを入れてきたR子とともに、またもやカラオケへ。前日、歌っていたせいか、声の通りもよく、相当に絶唱する。我ながら、マイク不要状態だった。

そして翌日は、Mちゃんと一緒にアッパーイーストサイドでランチ。彼女が教えてくれた「パニーニ(サンドイッチ)」のおいしいイタリアン・カフェへ。前日のベトナミーズとは異なり、ボリュームが少ない割に「いいお値段」だったが、味はばっちり。

わたしは、フレッシュモッツァレラチーズとトマト、プロシュート、それにオリーブのペーストのパニーニを頼んだが、パンの香ばしさと素材の味の良さが際だっていて、もう一つくらい食べられそうだった。

Mちゃんと店のオーナーが顔見知りだったので、オーナーがティラミスをごちそうしてくれた。普通のティラミスではなく、ベネツィア風のティラミス。大きなお皿に、エスプレッソコーヒーが入った器と、マスカルポーネチーズ&生クリーム、つまりティラミスのクリーム部分が入った器が並んでいて、その横にフィンガービスケットが添えられている。

フィンガービスケットをエスプレッソに浸し、その上にスプーンでクリームを載せて食べる、というものだ。手巻き寿司にせよお好み焼きにせよ、「自分で作りながら食べる」というのは、それだけで楽しいし、おいしさが増す。

カプチーノを飲みつつ、二人して大いに楽しみながらデザートを食し、会話もはずむ午後だった。

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VIA QUADRONNO

25 E. 73rd St.

212-650-9880

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最後の夜は、A男と一緒に。彼が日本料理が食べたいというので、またもやSEOに行くことにした。

「豆腐と海草のサラダ」(ドレッシングの風味がいい)、「オイスターのフライ」(カリッと香ばしい)、本日のおすすめ「ボタンエビ」(姿揚げ、刺身、寿司の三種盛り合わせ!)、「刺身盛り合わせ」などをオーダー。DCからNYに来て日本料理店に来ると、まるで日本に里帰りしたかのような錯覚に陥る。

決して安くはないが、しかし高すぎもせず、満足の夕餉だった。

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SEO RESTAURANT

249 E. 49th St. (bet. 2nd & 3rd Aves.)

212-355-7722

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※連休明けにもかかわらず、長大なメールマガジンの読破、ご苦労様でした。

(5/6/2003) Copyright: Miho Sakata Malhan

 


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