坂田マルハン美穂のDC&NYライフ・エッセイ

Vol. 81 10/23/2002

 


あっというまに日本から帰ってきて一カ月がたってしまいました。ゆっくりと落ち着くまもなく、10月12日土曜日は、「ワシントンDC版・出版記念パーティー」を開きました。お料理や飲み物で友人知人をもてなし、帰りにサイン入りの『街の灯』を半ば強制的にお買い上げいただくというパーティーです。多くの方々が来てくださり、あちこちでおしゃべりの花が咲き、とても楽しいひとときでした。

先週は月曜から金曜日までの4泊5日、ニューヨークへ営業に出ていました。レンタカーに大量の『街の灯』と、宣伝用に作ったこれまた大量のフライヤー(チラシ)を積み込んでのドライブです。久しぶりにニュージャージーやウエストチェスターの日系食料品店などを訪れ、フライヤーを置かせてもらい、夜になってようやくマンハッタン入りしました。

ニューヨークでは、久々に、びっしりとアポイントメントを入れ、さまざまな日系メディアの方々にお会いしました。無論、『街の灯』を進呈し、何らか形で紹介していただけるようお願いするのが目的でしたが、久しぶりに、あるいは初めてお会いする方々との世間話も楽しく、『街の灯』を通していい経験をしていることを実感しました。

確かに、ニューヨーク全体、及びニューヨークの日系企業の景気は下降線を辿るばかりで、あまり華やかな話は耳にしませんでした。その一方で、「淘汰されている」という決してネガティブではない傾向も見受けられました。

駐在員数が激減し、彼らによって支えられていたビジネスは当然ながら打撃を受けていますが、「強いもの、確かなものは生き延びる」という印象を受けたのもまた、事実です。無論、一概には言えませんけれど……。

ミーティングの合間のランチタイム、またディナータイムは友人たちとのおしゃべりが楽しく、気持ちが活性化しました。やはりマンハッタンは、わたしにエネルギーや勇気を与えてくれる場所だということを、しみじみと感じつつDCに戻ってきました。

ニューヨークでの営業日記、『街の灯』がメディアに紹介されている記事などは、『街の灯』サイトに掲載していますので、ぜひご覧ください。

ところで、ニューヨークの紀伊國屋書店にて、11月14日木曜日6時より、レクチャー&サイン会を催していただけることとなりました。ロックフェラーセンターにあるこの紀伊國屋では、店内の一画にて、毎週のように何らかのイベントが行われています。

作家を中心とした著名な文化人に紛れ、無名のライターにも、このような機会を与えてもらえるのはありがたいことです。ただ、本が売れないことには紀伊國屋さんも商売になりませんから、お客が集まらなければ話になりません。

「坂田さん、最低でも30名、集めてくださいね」とノルマを課せられているので、あちこちの知り合いに「来てね」と頼んでいるところです。

読者の方で、ニューヨーク界隈にお住まいの方、サクラ要員募集中ですので、ぜひともいらしてください。お茶も出ませんが……どうぞよろしくお願いします。ほんとによろしくお願いします。

また、ニューヨーク郊外のウエストチェスター郡ホワイトプレーンズという街にある「サファリブックス」でもサイン会を行います。本屋の店頭に机と椅子を出してもらって、日本人が通過するのを待機し、自ら

「話題のエッセイ集、『街の灯』は、いかがですか〜」

などと声をかける、かなりいかした露店サイン会になる予定です。

っていうか、それはすでに「サイン会」ではないような気がしないでもない。地方を巡業する売れない演歌歌手の心境です。

サファリブックスはすごく小さな本屋さんだけれど、数軒先に日本人家族御用達の「大道(だいどう)」という日本食料品店があり、そこはお客の出入りが多いので、本屋側へお客を誘導するつもりなのです。

ちなみにサイン会は11月半ばですから、寒そうです。防寒具(膝掛け、カイロなど)を持って、一人寂しく、いや一人賑やかに、お待ちしていますので、界隈にお住まいの方、ぜひいらしてください。

きっと読者の中に、ホワイトプレーンズ在住の方がいると踏んでいます。見て見ぬ振りして通り過ぎたりしないでください。詳しくは下記に記します。

それから、今、日本でも報道されている連続射殺事件、DC周辺は不穏な空気に包まれています。昨日の朝(22日)もバスのドライバーが射殺され、周辺の道路が閉鎖されたことにより渋滞となり、A男も車で通勤途中でしたが引き返してきました。

昨年の9月11日以降、このような、何とも言えない「不穏な空気」のただ中にいることに、じわじわと慣れ始めています。ただ、毎日を大切に、できるだけ楽しく生活しようと、心がけるばかりです。

さて、今回は日本紀行の「京都・下関編」を書くつもりでいましたが、目先の作業を優先していて、まだ余裕がありません。でも、自分自身、今回の旅はきちんと記録しておきたいので、近々、お送りします。

それでは、なんだかバラバラとした近況報告でしたが、今日はこの辺で。

 

◆◆◆◆◆『街の灯』通信 Vol.3◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

●坂田マルハン美穂 レクチャー&サイン会

場所:ニューヨーク紀伊國屋書店(ロックフェラーセンター)

10 West 49th Street, New York, NY 10020 
Tel: 212-765-7766

日時:2002年11月14日(木) 午後6時より(無料)

 

●坂田マルハン美穂 サイン会

場所:サファリブックス SAFARI BOOKS

512 Mamaroneck Ave., White Plains, NY 10605 
Tel: 914-993-0154

日時:2002年11月16日(土) 午後1時ごろより(もちろん無料)

 


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