April 16-22, 2006 旅の最終地マンハッタン。長い旅がまもなく終わる。 |
JFK空港からタクシーでマンハッタンへ。ドライヴァーはバルバドスからの移民。アルヴィンドがバルバドスについて妙に詳しい。なにゆえに? と思いきや、バルバドス→英国領→クリケット。 「僕はクリケット、興味ないんだ。スローだし。見てる時間、ないし」 とドライヴァーが言っているにも関わらず、バルバドスの名プレイヤーたちについて語り続ける夫。誰も聞いてないってば! およそ一年振りのマンハッタン。この街にたどりつく瞬間が、ほかのどの街よりも、いちばんほっとする。たとえ5年間だったとはいえ、この街を、わたしはほかのどの街よりも、ひたすらに歩いた。そのことがまた、街への馴染み深さにつながっているのかもしれない。 すでに時計は午後10時をまわっていたが、夕食はまだ。日本食が食べたい。この時間で開いている店といえば……。ホテルから2ブロックほど先の「めんちゃんこ亭」を目指す。 夫は好物の長崎ちゃんぽんを、なぜかわたしには、とんこつラーメンを率先して注文してくれた。それからおでんに焼き餃子。夜も遅いというのに、これはちょっと食べ過ぎでは? 久々のカジュアルな日本食に、夫もなんだかうれしい様子。 食後はタイムズスクエアあたりまで歩き、フレンチビストロのバーでオリジナルのマティーニを。シトラスの風味がとても爽やかな、とてもおいしい飲み物だった。 |
翌朝。風が冷たい。ホテルの近くのカフェ&ベーカリーで朝食。オーガニックの素材で作られた料理がおいしい店。 2種類のサンドイッチを注文。ローストビーフと、アボカド。それぞれを分け合って食べる。
夫はいくつかのミーティング。妻は五番街周辺を散策。紀伊国屋書店で、ずいぶんと長いこと過ごす。 ロックフェラーセンターは白百合の宴。そう、世はイースターを目前にして、ウサギやら卵やらひよこやらで賑わっているのだ。
夕食は、毎度お馴染み、ミッドタウンのSEOへ。マンハッタンでは刺身を食べなきゃね。と気合いを入れていたのだ。日本酒で乾杯のあとは、刺身の盛り合わせに豆腐海藻サラダ、ハマチかまの塩焼きなど新鮮な魚介類を堪能。どれもおいしい〜! SEOの帰りは恒例のカラオケ。なにしろ向かいがカラオケ店だからね。歌う時には起立せずにはいられない妻。腹の底から声を出して歌ってこそのカラオケ。マイク不要、とよくいわれたものだ。声が大きいのでね。
最初は座って歌っていた夫も、妻の影響を受けて立ち上がる。眉間にしわを寄せ、情感を込めて歌うはABBA、もしくはフランクシナトラ。猛烈に音痴。絶対音感とまではいわずとも、相当音感のある妻にとっては、頭痛を催させるほどのひどさである。なのに画面に97点などと出るのである。自らの音痴ぶりを理解していない夫は図に乗るのである。こういういい加減な装置は撤去してほしいものである。 日本を離れて十年。持ち歌は更新されることなく、毎度、ユーミンやら中森明菜やら松田聖子やら小泉今日子やら、同じ曲ばかり。しかし、今日は「唱歌」というカテゴリーを発見し、「朧月夜」や「走れトロイカ」などを熱唱。今時の歌謡曲より、よほど情感が込められる。歌っていて気持ちがいい。最後は毎度絶唱の「津軽海峡冬景色」。この歌は声を出しやすくて歌唱後気分爽快なのだ。