LONDON/ APRIL 15, 2005

4月15日(3) ディナーも、ミュージカルも。旅の最後を飾るはインド

ミュージカルが始まる前に、夕食である。「インド料理を食べよう!」と夫が言う。手持ちのガイドブックを広げ、「ロンドンで最もおいしい」と評判のインド料理店を見つけだす。

奇しくもその店MELA(メラ)は、ミュージカルのシアターの数ブロック先。これは幸運とばかり、インド料理に決定。まずはバンガロア産のビール、COBRA(コブラ)で乾杯。初めて飲むバンガロアのビールだ。ほのかな苦みとシャープな味わいで、すっきりとした後味。おいしい。

それから久しぶりに、スパイシーなチキンカレーや豆の煮込みなどを味わう。いずれも、絶品と言うほどではないにせよ、それなりにおいしい。スウェーデンから来たという隣席の熟年夫婦と、旅の話などをしつつの夕餉。

ミュージカルは、悪評を聞いていたのでさほど期待していなかったが、興味深く観られた。インドに思い入れがあるからこそ、より楽しめたのかもしれない。

こうして、我々のロンドン&コッツウォルズ9泊10日の旅は、インドの香りを漂わせながら、幕を閉じた。

急に決まった夫の出張に伴っての、短い休暇だったわりには、予想していたよりもはるかに、いい時間を過ごせた。やっぱり旅をするのはいいものだ。

翌朝の便でロンドンを発ち、その日の午後、ワシントンDCに到着した。町はもう、すっかり春の花々に彩られていて、暖かく、華やいでいた。

2カ月後、3カ月後の自分たちが、どこに住んでいるのかわからない、そんな昨今の我々だけれど、最早、旅の途中のような毎日を、楽しみながら過ごそうと、晴れやかな気持ちでそう思う。


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