70丁目以北のアッパーウエストサイドには、ブランチに好適なカフェやレストランが多い。マンハッタンに住んでいたころの週末の朝は、わざわざ十数ブロック歩いて、わざわざ長い列に並んで、パンケーキやらフレンチトーストを食べに出かけたものである。 今思えば、そこまでせずとも、自分で焼いてもよかったのでは? とも思うのだが、そういうブランチの店の雰囲気が、なんとも言えず、「魅惑的」だったのだ。 懐かしの店の中から、GOOD
ENOUGH TO
EATに行くことにする。この店で初めて食べた「バナナ・ウォルナッツ・パンケーキ」は、本当においしくて、とても幸せな気分にさせられたものだ。ストロベリー風味のバターと、絞り立てのオレンジジュース。食後のカプチーノ……。凍える冬の土曜の朝、耳を赤くして列に並んだ、二人で初めて訪れたときのことを思い出す。 この店も、後には取材をさせてもらい、オーナーのキャリーにレシピブックをプレゼントしてもらった。その本には、「素朴でやさしいアメリカの母の味」がたくさん詰まっていた。無論彼女は、マンハッタン生まれとはいえ、ベルギーで育ち、欧州の食のセンスを身につけているのだけれど。 そのレシピブックに沿って、数年前、わたしは初めて、サンクスギヴィングデーのターキーを焼いたのだった。
NEW YORK,
NY
懐かしのGOOD ENOUGH TO
EATでフレンチトーストとサンドイッチを
MAY 26,
2005
気候のいい時節は、カフェテラスでの食事が楽しかった。このレストランはよく、映画やドラマの撮影の舞台になっている。 パン屋とカフェが同居するコロンバス・ベーカリー(Columbus
Bakery)。パン、焼き菓子、サンドイッチ、いずれも素材が良質で、味わい深いものばかり。擬人化されたかわいいトーストの看板がなくなっていた。
ポップ・オーバー・カフェ。ふわふわ焼き立てのポップオーバーにストロベリー・バターを付けて食べるのがおいしい。この店にも何度か足を運んだ。格別な味、というわけでも、多分ないのだが、その見た目と焼き立ての雰囲気が、食指を動かすのだ。 100年近く前に創業した、古典的なニューヨークのデリ、バーニー・グリーングラス。スモークサーモンやトラウト、キャビアなどがたっぷり。遠い日、猛烈に込み合った店で、ベーグルにクリームチーズ、スモークサーモンを挟んだサンドイッチでブランチを味わった。
好みの具と好みのパンで、サンドイッチを作ってもらえる。 結局、ランチはこの店で。寒いので店内で。
食後のカフェラテ。フォームが滑らかでおいしかった。 おなじみサラベスのレストラン。ここのブランチもおいしい。