SCENE02: 記憶の水辺の底に沈む。流れに揺らぐ小石、ほのかに舞い上がる砂
MUMBAI (BOMBAY) AUGUST 30, 2005/ DAY 1

いくつかの前世があるとしたら、そのひとつはインドの姫だったと、
思い込むそれは、滑稽だけれど楽しい。
子供のころ、幾度となく夢に見たのは、
夕暮れどき、ピンク色の光に包まれて、いくつもの支柱が立つ回廊を、
艶やかな色の衣装の裾を翻しながら、駆け抜けている自分。
(だから一度、その場所と思しきジャイプールの町に行きたいのだ)
その映像の延長には、こんな光がこぼれる回廊もある。刺繍模様のような手すりもまた。
束の間、記憶の泉に触れて、さざ波を立ててみる。
ゆらゆらと、光を揺らしてみる。


 

 

 

 

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