11月15日(月)
■帰国を目前にして、コマーシャル・ストリートで最後のショッピング
オートリクショーのドライバーによれば、月曜日の今日はムスリムの祭日で、だから、ムスリムが経営する店は閉店しているとのことだったけれど、それ以外の店は開いているだろうからと、コマーシャル・ストリートに出かけることにした。
ホテル前からオートリクショーを飛ばす。他のオートリクショーに乗ると、ラルの運転のよさがよくわかる。彼は今ごろ家族揃って、年に一度の大きな祭りを、ごちそうを食べながら祝っているところだろうか。
さて、ムスリムが経営する店の多いコマーシャルストリートは、確かにシャッターを下ろしている店が多いけれど、目的のドラッグストアは開いていた。ここで、アーユルヴェーダにレシピに基づいて作られたシャンプーや石鹸、それからヘアマッサージ用のココナツオイルなどを、母と妹の分も含めて、たっぷりと買い込む。
それから街をふらふらと散策した後、新しくできたばかりのSUBWAYというサンドイッチの店で、タンドーリチキン入りのサンドイッチを食べる。こうして訪れるたびに、こういうファストフードの店が増えていくのだろうな。
食事を終えて、さてホテルに戻ろうとオートリクショーを拾おうとするが、なぜか何人からも乗車拒否をされる。ホテルが市街とは反対の方向にあるせいか、あるいは近すぎるせいか。
来るときは15ルピーですんだのに、「30ルピー払えば乗せてやる」とメーターを倒そうとしない人もいる。30ルピーは1ドルもしないから、安いものだけれど、なんだか言いなりになるのは癪にさわる。
5人目くらいでようやくメーターを倒して、気前よく乗せてくれたドライバーがいた。が、反対方向に方向転換すべきなのに、いつまでたっても、Uターンもしないし、角を曲がりもしない。
「ちょっと、どこに行ってるの? ホテルは反対方向でしょ!」
「あ、そうだそうだ、反対だったね!」
いったい、どこに連れていこうというのだ。大きく遠回りをする気だったのだろう。本当に油断ならない。地理には敏感でなければならない。
ホテルに戻ったあとは、しばらく部屋でくつろいで、庭を散策する。夫は夜のパーティーに参加するので、わたしは一人で、再び夕べのベトナム料理の店へ行く。
一人で夕食を食べる人は誰もいないから、店の人が何かと気を遣ってくれる。わたしは一人での食事には慣れているし、嫌いでもないのだが……。
いよいよ、明日深夜の帰国を前にして、ひとりでゆっくりとおいしい料理を味わいながら、この旅のことを静かに反芻する。それから、来年の自分たちの有様に、思いを馳せてみる。
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