照りつける太陽が傾くころは、街の空気がやさしくほぐれる。まばゆさに目を細めることもなく、木々を見上げ、通りを眺める。埃っぽさも和らいで、街の色の陰影が浮かび上がり、視界がくっきりと、鮮やかになる。 インドの国産車アンバサダー。高い木からハラハラと舞い落ちる黄色い花を浴びて、まるで祝福されているかのように。
ほらここにも、風船売りのおじさんが! こんな人気の少ないところを歩いてていいの? 町中を走る観光馬車。ゴールデンなデコレーションがいかにもインドらしくてパンチが効いている。 本当になぜ、この国には写真を撮られたがる人が多いのか。「僕を撮って」と近寄ってきたおじさん。撮ってあげたら「ありがとう」と行って去った。御利益でもあるのか。
MUMBAI (BOMBAY),
APRIL 19, 2004
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