蒸し暑い午後。どこからともなく悪臭が漂ってくる路地を歩く。ぐるぐると歩く。 旅人として、ではなく、住民として、この国に身を置いたなら、
MUMBAI (BOMBAY),
APRIL 19, 2004
やがて、もう、ホテルへ戻ろうと思う。まるで逃げ込むように、ホテルへ戻ろうと思う。
この先を少し歩けば、左手にドアマンが立っていて、その重々しいガラスの扉を開けてくれる。
町歩きの果てにたどり着く建物の中は、まさにオアシス。
一瞬にして包まれる、冷たく軽い空気。香水のいい香り。
わたしの心はどのように、変化していくのだろう。
目に見える壁と、目に見えない壁とが、無数に張り巡らされ混沌と在る、この国で。