ムンバイの、いやインドの、海の玄関口、Gateway
of
India。その海洋に面してどっしりと立つタージ・マハル・ホテル。インドが英国の植民地下にあった1903年に完成した。 当時、インドにある高級ホテルのほとんどは、インドに在るにも関わらず、インド人は宿泊することができなかった。英国人らによって翻弄されていたインドにあって、しかしビジネスで成功を治めていたインド人の起業家Jamestiji
Tataは、インド人が泊まれる高級ホテルの建設に着手した。 彼の富と名誉の結晶は、他のどのホテルにも劣らない歴史的なホテルとして誕生し、以来、百年以上に亘り、世界中の人々を招き入れてきた。華やかな、あるいは重要な、歴史の舞台として人々の記憶に刻まれ続けるホテル。エントランスに足を踏み入れれば、晴れ晴れと、優麗な空気に包まれる。 Jamestiji
Tataは、現在7業種50社を擁するインドの一大コングロマリット
Tata
Groupの創業者でもあり、インド経済を語る上で不可欠な人物だ。 今年は彼の没後100周年。奇しくも今日(2004年7月23日)、インドのバンガロールにおいて、彼の偉業を讃える記念式典が行われた。
MUMBAI (BOMBAY),
APRIL 18, 2004
本館エントランスそばの階段に飾られたホテル創設者Tataの胸像。 エントランスは吹き抜けになっており、周囲には優美な螺旋階段が。 ドレスの裾を翻しながら、駆け下りたくなる階段。
光と影の対照が美しく、真昼でも物憂げな表情を見せている。 部屋に至るまでの随所に、インドの美術品が飾られている。