SCENE 08: 英国統治時代の、インド人のプライド。
MUMBAI (BOMBAY), APRIL 18, 2004

ムンバイの、いやインドの、海の玄関口、Gateway of India。その海洋に面してどっしりと立つタージ・マハル・ホテル。インドが英国の植民地下にあった1903年に完成した。

当時、インドにある高級ホテルのほとんどは、インドに在るにも関わらず、インド人は宿泊することができなかった。英国人らによって翻弄されていたインドにあって、しかしビジネスで成功を治めていたインド人の起業家Jamestiji Tataは、インド人が泊まれる高級ホテルの建設に着手した。

彼の富と名誉の結晶は、他のどのホテルにも劣らない歴史的なホテルとして誕生し、以来、百年以上に亘り、世界中の人々を招き入れてきた。華やかな、あるいは重要な、歴史の舞台として人々の記憶に刻まれ続けるホテル。エントランスに足を踏み入れれば、晴れ晴れと、優麗な空気に包まれる。

Jamestiji Tataは、現在7業種50社を擁するインドの一大コングロマリット Tata Groupの創業者でもあり、インド経済を語る上で不可欠な人物だ。

今年は彼の没後100周年。奇しくも今日(2004年7月23日)、インドのバンガロールにおいて、彼の偉業を讃える記念式典が行われた。


本館エントランスそばの階段に飾られたホテル創設者Tataの胸像。

エントランスは吹き抜けになっており、周囲には優美な螺旋階段が。

ドレスの裾を翻しながら、駆け下りたくなる階段。

光と影の対照が美しく、真昼でも物憂げな表情を見せている。

部屋に至るまでの随所に、インドの美術品が飾られている。

プールのある中庭に面したテラス。籐椅子に腰掛け、天井を見やれば、静かに旋回するファン。


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