●思い浮かぶ顔の、表情。

あなたは、誰か知っている人を顔を思い浮かべる。
たとえば、両親、兄弟姉妹、夫、もしくは妻、子供、友人たち……。

思い浮かんだときの、その人の表情は、どうだろう。
笑顔だろうか、怒った顔だろうか、それとも無表情だろうか。

たとえば、私は昨日パーティーで、とても笑顔がきれいな黒人の青年と話をした。彼は常に軽く微笑みをたたえていて、その表情からして人柄の温かさを感じさせた。

たとえば、私は昨日パーティーで、とても神経質そうにまばたきしながら、ぎこちない表情を見せる白人の女性と話をした。わずか数分間にも関わらず、こちらまでも堅苦しさが伝わってきて、少し疲れた。

今、二人の顔を思い出すに、前者は笑顔で、後者は戸惑いの表情だ。

夫の顔を思い出すとき……、笑顔だ。
母は、父は……、やはり笑顔だ。

あの友人は……眉間にしわが寄っている。
あの友人は……笑顔だ。
あの人は……ふてくされている。

そうやって、考えていくうちに、自分は人に、どんな表情で思い出されているのだろうかと思い始めてきた。

怒って鼻の穴を膨らませている顔を思い出されたらいやだ。

できるなら、笑顔を思い出してほしい。

ってことは、出来るだけ、笑顔でいたほうがいい、ということだ。

ってことは、思い切り口を開けて笑うとキラリと光って見える銀歯を、早いところ差し替えた方がいいということだ。(3/15/02)

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