ある12月の一日

12/8/2003

 8月末から通い始めたジョージタウンのEFLも、残すところ数日。
今日は、ヴァージニア州のリースバーグという町にある、ミッキー(先生)の別宅に招かれた。
夫の会社が道中にあるので、彼をオフィスで下ろしたあと、ひとり、車を走らせる。
数日前に降った雪が残る白い風景の中を、走る。

 

ここはワシントンDCとヴァージニア州を結ぶ橋のひとつ、チェーン・ブリッジ。ポトマック川に架かる小さな橋。A男の通勤道路。

ポトマック川が見下ろせる。今日の流れは静かな模様。台風のあとはコーヒー牛乳色だったけれど、今日はきれいな藍色をしている。

狭い道を抜けてゆく。ここは街灯がないので、夜は真っ暗だ。アメリカは日本のように道路の電灯がないところが多い。真っ暗闇の中を走ることもしばしばだ、

A男のオフィスはヴァージニア州のレストンという新しいオフィスタウンにある。10年くらい前までは、なにもない、ガランとした森の中のような場所だったらしい。

信号機がいくつもぶら下がっている。たまに、どれが自分のための信号かわからなくなることがある。

こんなのんきな場所にあるCIA(Central Intelligence Agency: 中央情報局)。

この並木道は、春先になると白い桜の花の一種が咲き誇り、本当に美しいのだ。

ハイウェイに入ると、すいすいと流れて気分がいい。

A男はDCの国際線空港の一つであるダラス空港方面、つまり西側に向かって走る。ちなみにボルティモアはメリーランド州(北部)にある町。

中央分離帯の木々がまるで防風林のようでダイナミックなあたり。

郊外には、IT関係のオフィスビルが点在している。あちこちに、新しいオフィスタウンができつつあり、DCはどんどん「郊外型」の首都になりつつある。

ここが料金所。ちょっと地味なタイプ。

さて、ここがA男のオフィス。「いってらっしゃ〜い!」

ミッキー(先生)の家に行く前に、近くにあるファクトリーアウトレット(リースバーグ)にてお買い物。インド旅行のための衣類などをちょっとばかり調達。

ミッキーの家があるウォーターフォードという村に到着したものの、ディレクションにある道が見つからない!

うろうろと走るが見つからない。人家のおじさんに聞いてみるがわからない。やたら小さな村なのに! 地図がないのが問題だ!

お〜い、そこの馬よ! 道を教えてくれ〜!

同じ道を行ったり来たり。結局、雪が降っているから別の道を、と知らされていたルートが、1本、道を書き落としていたことが判明。雪降り以前のディレクションに従ってきた他のグループは、すでに到着していた。ナビゲータがいないと辛いわこんな田舎道。

すでにみんな到着していた。雪を見慣れない南国生徒ら(南米・台湾など)は、しばらく外で遊んでいた。

ミッキーの夫。雪の中でバーベキューをするとのこと。しかし、冬にバーベキューとは、かなり強引である。だいたい、寒い。

雪の中の、なんとも似つかわしくないバーベキューセット。ビールは冷蔵庫不要で適温に。

いかにもアメリカ的な、カジュアルな、バーベキューランチ。ソーセージの焦げが気になるが、まあ、気にすまい。

贈り物タイム。ミッキーへプレゼントを渡すアドリアーナ。我がクラスの年長三人衆(40歳目前)の一人。私と同じ世代でも、彼女は二人の娘がいる、たくましき母親。落ち着きのある風情。アルゼンチンで心理学関係の仕事をしてる。

こちらはもう一人の先生、ビル。彼らには最近ベイビーが誕生した。

彼はクラスメイトの韓国人ロビン。12月中旬にベイビー誕生なので、そのお祝い。ちなみに彼の韓国名の漢字は「金大吉」。大吉。……。めでたい名前だ。

メキシコから来たマリアーナ。マイペースで朗らかな、本当にかわいい彼女。将来、グラフィックデザイナーを目指していて、いろいろなものを器用に作る。

これらのカードは、なんとマリアーナのオリジナル。プレゼンテーションのパワーポイントもとてもきれいに作っていた。授業中、私が居眠りをしそうになったとき、水のボトルで叩き起こしてくれた彼女。ありがとう……!あなたの結婚式には、メキシコまで行くからね!

こちらもメキシコから来たお嬢、クラウディア。美しくて、素直で、彼女もまた本当に、まっすぐに育ったという雰囲気に満ちたいい女性。彼女は料理が好きなので、メキシコに帰ったらケイタリングの仕事を始めたいらしい。そしていつか、レストランを開きたいらしい。彼女の作るお菓子はとてもおいしくて、この日持ってきてくれたマフィンも、甘さ、しっとり感、すべてにおいて非常によく、おいしかった!

食べたり語ったり、のんびりと冬の午後を過ごすクラスメイト。でも、まもなく、みんなそれぞれの新しい生活を始めるのだ。

チーズケーキはアドリアーナの手作り。我が家でパーティーを開いたときに大好評だったので、また作ってきてくれた。でも、アルゼンチンの友人シェフの「秘伝のレシピ」らしくて、レシピは教えてくれないの。

これはサウジアラビア出身のディマが持ってきてくれたアラブのお菓子。小さい器に入っているのは、アラブのコーヒーなんだって。焙煎していないから色が浅く、スパイスが加えられていてお茶のような味がする。

わがクラスは14人中、12人が女性という構成だった。こうして見ると、本当に、「女子クラス」みたいね。

だんだん日が暮れてきた。そろそろ帰らなければ。

ディマと記念撮影。わたしがコソボのフェリダを『muse DC』に取材したとき、「わたしも取材してよ!」と訴えてきた彼女。彼女は2歳のかわいい娘がいる。学校が終わったら家族で帰国して、自分でもビジネスを始めるとか。

帰り道は道に迷わず。レストンへ夫を迎えに。クリスマスのイルミネーションが輝いていた新しい街。帰り道、夫と日本料理店「紫」で寿司を食べて帰る。

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