■サロン・ド・ミューズの日記より抜粋。(8/29/2003) ●遠すぎる。 夕食時。金曜の夜ということで、リラックス。ついでも料理もおいしくて、ほのぼのとしている。この三連休のうち、A男が親戚の家に行きたいという。少々渋るわたしに彼が言う。 「おじさんたちが、たった車で10分の近所に住んでいるのに、会いに行かないのはおかしいでしょ。たまには挨拶しなきゃ」 「わかったよ。じゃあ、早く予定を決めてね。ところで、そのおじさんって、どういう関係なの?」 「遠い親戚」 「遠いのは知ってるけど、どれくらい?」 食べるのを中断し、中空を見つめながら、記憶をたどるようにして言う。 「おじさんは……、僕の〜、おじいちゃんの〜、奥さんの〜」 「ちょっと待った。おじいちゃんの奥さんって、おばあちゃんじゃないの?」 「あ、そうだった。おばあちゃん、早くに死んじゃったからさあ」 わたしの祖父も私が小さいころに亡くなったけれど、だからって「おばあちゃんの夫」とは呼ばないぜ。わざわざ「遠い感じ」を醸し出さんでもいいやろ。 「僕の〜、おばあちゃんの〜、お姉さんか妹のどっちかの〜、だんなさんの〜、お姉さんか妹のどっちかの〜、だんなさん」 ああ。遠い。一滴たりとも血液が混じっていない親戚である。 これではまるで、スジャータとラグバンが 「親戚の家に遊びに行く!」と言って、わたしの母の兄弟の配偶者の実家に遊びに行くようなものである。 遠すぎ。
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