■サロン・ド・ミューズの日記より抜粋。(9/4/2003) ●紙一重の人。 夕食時の話題はもっぱらわたしの語学学校のこと。A男が私にもTOEFLを受ければ?という。 「ぼくはアメリカに来る前にインドで受けたよ。リスニングのテストがあったんだけど、教室の音響が悪くて、テープがよく聞き取れなかったんだ。でもね、僕、満点だったんだよ(800点)!」 もう、何度も聞きました! 「だってさ〜。受けるテスト受けるテスト、どれも簡単なんだもん。ほとんど満点か、それに近かったなあ」 ああ、小憎らしい。この人の、どこにそういう「明晰な頭脳」が潜んでいるのか、どうにも神秘である。実に、著しく、ミステリーである。 夜は二人して9時半という超早いうちにベッドに入ったのだが、わたしの寝入りばなに、A男が突然、 「ねえ、キングコングのさあ、日本版は、なんだっけ?」 と、脈絡なく、どうでもいい質問をして起こしやがった。無視しても、何度もしつこく聞く。 「ゴジラです! もう、うるさいよ。明日早いんだから。邪魔しないで」 「そうそう。ゴジラだった。でね、ゴジラの敵は誰? 最初にMがつくやつ」 ああ、もう、うるさい。と再び無視するが、しつこく聞いてくる。お前は3歳児か?! 「敵かどうかしらんけど、Mがつくのはモスラ!」 「あ、そうだった、そうだった。でさあ、モスラって、どんなんだっけ?」 ここで妻の堪忍袋の緒が切れ、シャウト! な態勢に。 世間はわたしが攻撃的だ、いらいらしがちだ、感情的だというけれど、この状況で怒らない人って、いないと思う。 この人の「紙一重ぶり」には、本当に感心するよ。まあ、強いて言えば、日毎、発見。 しかし、なぜにモスラ?
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