その5 言葉の壁


言葉の壁とは、何故にこんなにも高いものなのでしょうか?

私の英語力は、中学2年生のときにとった英検3級レベルであることは前にもお話したとおりです。しかし、たった1人のオフィスで仕事をしていく上にはどうしても英語が必要になってくるのです。(当たり前か!)通常の仕事では、日本人のお客さんが多いため、日本語でOKなのですが、こと会社全体のこととなると話は変わって来ます。

今回は、そうした会社運営上の英語の問題についてです。

早いもので私がニューヨークに来て6ヶ月が経とうとしています。この6ヶ月間に何をしたのだろうか?と考えても何にも出てきませんが、少なくとも日常生活会話だけなら英語で喋れるようになれました。買い物にいくとか、誰かに何かをお願いするとか、アメリカ人とほんの少しの会話ができるとか、そのぐらいのことは出来るようになりました。もともと英語の上手な人からみれば、『何を言っているんだ、こいつは!』って感じでしょうが、英検3級だけをひっさげて、ニューヨークにやってきた人間からみれば、これはたいした進歩なのです。(少し自画自賛かも・・・・?)

しかし、当たり前のことなのですが、こんなレベルでは問題だらけの生活なのです。最近起きた(起きている事件)についてお話しましょう。

会社には私1人しかいませんが、それでも、会社は会社なのです。りっぱなアメリカ法人なのです。アメリカに法人税なんかを納める義務などがあるのです。この納税ってやつがまた複雑で、いろんな税金があるのです。中でも今、頭を悩ませているのが、消費税です。アメリカにも日本と同じように消費税があって、これを州に納めなければならないのです。

私の前任者や、その前の前任者などの記録をみると、この消費税は1年に1回まとめて計算をして、納税していました。確か引継のときにもそうのように説明された記憶があります。しかし、なんと先日、年4回ごとに支払う用紙が送られて来たのです。税務署から!!

辞書を引きながら、書類に目を通し終わったときに、『うーん、これはいったい何?』という思いしか浮かびませんでした。一瞬、何かの間違いかな?と思い、見なかったことにしちゃおうかな、などと思いましたが、まあそうもいかず、恐る恐る、税務署に電話をかけて見ました。

私 『こんな書類をもらったんだけれど、これは何?』

税務署 『納税用紙ですよ。期日までに納税してくださいね。』

私 『でも、うちの会社は今まで1年に1回まとめて払ってましたよ。』

税務署 『ちょっと待って、調べるから。』

・・・ちょっと間があって、

税務署 『あなたのところは、昨年の納税金額から判断して、年4回納めることになったんだよ。』

私 『そんなことは初めて聞いた。それに、今年に入って1回も払ってないよ。』

税務署 『それは困った問題だね。まあ、とにかく急いで払いなよ。罰金についてはあとで違う係りに言ってよ。』

私 『罰金!?罰金払う必要があるの?』

税務署 『私は罰金の係りじゃないから分からないよ。とにかく払ってね。じゃあね。』

とまあ、こんな会話になってしまったのです。

さて、ここで問題なのは、いかにして罰金を免除してもらうかになるわけです。

だって、年4回づつに分けて払うなんて話は初めて聞いたのだし、さらに、納税用紙は今初めてもらったのですから!

そして、こで言葉の壁なのです。日本語なら、たとえば【丁寧な言葉使いですごく怒る】とか【一歩も引かないぞ!】という姿勢を言葉で表現するとか、【情けをかけてもらおうと思いながら話す】とかが出来ると思うのですが、私には英語でこれが難しいのです。

要するに、英語のNegotiationなのです。それもお役所相手に・・・

今これをどうしようかと真剣に考えています。

なんとしても罰金は払いたくないし、その交渉に望む語学力にも自信がないし・・・。こんなとき皆さんなら、どうします?

まあ、私の場合はお手紙作戦かな? と思っていますが、いかがでしょう。

ではまた。


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