私は最近、英語の学校に通っています。私の担当の先生は、以前、2年間ほど東京にも住んでいたこともあり、日本のことは多少知っています。日本語はあんまり話せませんが・・・ 先日、その先生から、『東京って物価高いよね?今もそうなの?』という質問をされました。 この手の質問は、多くのアメリカ人がするし、ここニューヨークでも日本(特に東京)は物価が異常に高いということが常識になっています。だから、私はいつものように、『その通り!今も物価は高いよ。アメリカ人はNYは物価が高いと言うけれど、私にとっては安いから、全然驚かない。』と答えました。 すると、先生は、『違うね!』と私の予想に反した答えをしてきました。理由を聞いてみると、『ラーメンと家賃だけは、NYの方が高いでしょ!?』 そうなのです。ラーメンと家賃だけは、NYは東京以上に高いのです。 そこで、今回は家賃の話をしたいと思います。 私も他の駐在員同様、家賃は会社が支払ってくれています。だから、マンハッタンの中に住んでいられるのです。自分では絶対にマンハッタン内には住めません。今、マンハッタンの家賃の相場は、Studio Typeで$2,000ぐらいと言われています。1 Bedroom Typeで最低でも$2,500はするでしょう。日本円に直すと、1ルームマンションが、22万円ぐらいで、1DKが27万円くらいです。信じられます? こんなに家賃が高くなかった頃は、East Villageというところに多くの日本人学生が住んでいたそうです。しかし、今はお金持ちの学生しか住んでいません。みんなブルックリンやクイーンズといった近隣の街へ引っ越していったのです。 私は赴任前は、住むところには興味はありませんでした。別にどこでも良かったのです。だから、自分でアパートを探すこともしませんでした。決められたアパートになんの疑いものなく住みました。もちろんその決められたアパートは最高のロケーションとすばらしい部屋でしたので、文句を言う理由はまったくなかったのですが、仮に、まったく別の場所で最悪な部屋でも、たぶん文句は言わなかったでしょう。 しかし、『住むところにはこだわらない』と公言していたそんな私でさえも、今では会社に心から会社に感謝です。マンハッタン内の便利なところにアパートを借りてくれて、しかも、家賃は会社が払ってくれているなんて! これまで、会社に感謝する気持ちを感じたことはあんまりなかったと思うし、表だって感謝の意を表したことなどありませんでした。しかし、NYに来て、この部屋をみた瞬間、大きな声で叫んでしまいました。 『駐在員、万歳!ありがとう私の会社!』 学生としてNYに来ている方や、これから来ようとしている方にとっては、駐在員の生意気さでしかないと感じられていることでしょう。 しかし、私にとっては、部屋が良かったことは喜びではありましたが、それ以上に会社に感謝する気持ちを発見できたことの方が、大きかったのです。人間は不思議なもので、感謝する気持ちを持つとそれに応えようとして頑張るものなのです。 部屋が良かったということだけで、私は会社からの面倒な頼み事も、よろこんでやれるようになってしまいました。たまに、これって会社の“思うつぼ”なのかな? と思うこともありますが、でも事実そうなのです。 アメリカに来て、典型的な日本人サラリーマンになっていくってとっても不思議な感じですよね。 実は、今日は感謝祭(Thanks Giving Day)だったので、こんな話をしてみました。ではまた。 |