坂田マルハン美穂のカリフォルニア通信

Vol. 142 10/19/2005 


●インド移住が決まった

前回のメールマガジンからまた、ずいぶん間が空いてしまいました。9月の中旬にインドから戻って以来、1カ月余りが過ぎ、カリフォルニアのベイエリアでも、町の随所でオレンジ色のパンプキンが見られ、秋の支度が整いつつあります。

日が短くなり、朝晩は冷え込み、風のそよぎも秋めいていて、何かとしみじみした町の情景です。

さて、わたしたちのカリフォルニア生活も、あと2週間余りとなりました。11月上旬、インドのバンガロアへ移住します。

そもそも、インド行きを思いついたのが2003年の冬。あれから早くも2年が過ぎようとしています。最初は漠然としていた計画が、やがて現実的になっていくにつれ、わたしたち夫婦の間でさまざまな意見の食い違いが見られました。

何度も話し合ったり、再検討したり、なんやかんやを繰り返し、だんだん面倒になり、挙げ句「もうインドに行かずともよい!」などと考えたり、実に色々なことがありましたが、なんとかここまで漕ぎ着けました。

実は、このメールマガジンを書き始める前に、すでに二回ほど書いたのですが、書き進めるうちに「独白度」が極めて高い、長い長い文章になってしまったので、こりゃいかん、くどすぎると反省し、三度目の正直であっさりとまとめようとしている次第です。

端的に言えば、「結婚して、他人とともに人生を歩んでいくことのたいへんさ」を、改めて、激烈に、感じました。同じ方向を目指して歩いているうちには、多少、速度に違いがあれ、問題は感じません。分岐点に立たされたときに、お互いがどう出るか、が肝だということを、身をもって経験しました。

わたしたちの場合、同じ道を選んでいるにも関わらず、その条件や進み具合を考察するに際し、これほどまでに考え方が異なるとは、わたしも深く考えていませんでしたから、実にくたびれました。

おっと、また長くなりつつある。今回学んだことは、いつか改めて、きちんと書き留めておこうと思っています。

結論から言えば、ともかくは「半年間をお試し期間」として、「気軽にインド移住」する運びとなった次第です。グリーンカード(米国永住権)を保持するためにも、少なくとも半年に一度は米国に戻ってくる予定でいます。

7月上旬にこの地へ越してきて以来、約4カ月。うち、インドや日本に帰っていたことを考えると、3カ月ほどのカリフォルニアライフでしたが、アメリカ生活のおまけと呼ぶに余りある、実りの多い日々でした。

ニューヨーク、ワシントンDC、そしてカリフォルニア。同じ国にも関わらず、それぞれ著しく異なる個性を持った土地に生活する機会を得たことは、実に幸運なことだったとも思います。

このごろは、目まぐるしく過ぎ去る日々を惜しむように、毎日のようにどこかへ出かけています。そろそろ荷造りも始めねばなりませんが、大した量ではないので、数日で済むでしょう。

ワシントンDCのストレージルーム(トランクルーム)に預けている数十箱の段ボール、それからこのカリフォルニアに持ってきた、やはり数十箱分の荷物。それらをインドに送れば、あとは細々とした手続き以外をするばかりで、国際引っ越しとはいえ、さほど面倒ではありません。

今日では、住所変更などもすべてインターネットで行えるから便利です。すでにPIO(Persons of Indian Orizin)カードを持っている故、わたしのインド査証の心配もありません。また、バンガロアには義姉夫婦が住んでいるので、夫はもちろん、わたしもなにかと気が楽です。

現在の予定では、11月6日の便でサンフランシスコ発ロンドン経由でムンバイ(ボンベイ)に入ります。ムンバイで数日過ごした後、バンガロア入りし、数週間ホテル住まいをして新居を探す予定。11月末までに生活の基盤が整えば、と思っています。

あれこれあるにせよ、これからまた新しい暮らしが始まると思うと、心が踊ります。日々の暮らし、新しい仕事の開拓、国内及び近辺諸国への旅行……。躊躇なく、やりたいことをやれるときに、やっていこうと思います。

インドからは日本に近いのもまた、魅力です。何よりうれしいのは、福岡からバンガロアまで乗り換え1回で行けること。それも成田経由でなくシンガポール。福岡からシンガポールに直行便があるので、成田まで「逆行」しなくてすむのです。

今後はシンガポールで母と待ち合わせて、シンガポールに数日滞在し、それからバンガロアに入る、ということも実現できそうです。

さて、インド移住にあたり、今後、どのような暮らし方、生き方をしていくのか、再考すべきときのように思います。

次のメールマガジンの発行がいつになるかわかりませんが、ホームページは随時更新していきますので、折を見てお立ち寄りいただければと思います。

それではまた、近いうちに。

(10/19/2005) Copyright: Miho Sakata Malhan

 


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