●朝、ついには雨が降っていた。今日はもう、ワイナリー巡りはしないから、雨が降ってもよしとしよう。 ナパを離れる前CIAに行くことにした。Central
Intelligence
Agencyではもちろんなく、Culinary
Institute of
Americaである。このCIAは、全米屈指の料理学校で、ここに併設されたレストランでランチを取ることにしたのだ。
●店内は大勢のゲストで賑わっている。オープンキッチンが中央にあり、ダイニングルーム全体が活気に満ちあふれている。
●冷たい雨の降る日、暖かな室内で飲むほどよく冷えた白ワインは、格別のおいしさ。……と幸せに浸っていたら夫が目を丸くして耳打ちする。 「ミホ! あそこに昨日のフレンチのスティッキーなカップルがいるよ!」 うわ! ほんとだ! 今日もまた、熱く見つめあっている! 2日続けて彼らと同じ店に来るとは……。っていうか、彼らはフレンチじゃないってば。
●さてさて、こちらこそがフレンチ。これは何かと言えば、フレンチオニオンスープなのだ。スフレっぽくふわふわのトッピングをスプーンでやぶりつつ、あつあつのスープを味わう。絶品! 今までの人生で食べたフレンチオニオンスープのなかで一番おいしいね。と、確認しあう。ふわふわ。これとワインとパンがあれば、もう十分かも。
●こちらはアヴァンギャルドなシーフードパエリア。本場スペインのパエリアに着想を得たコンテンポラリーなひと皿である。素材が新鮮で味付けがシンプルなので、さっぱりとした味わいでおいしかった。でも、フレンチオニオンスープがより衝撃的だった。ちなみに上の大きな写真はデザートのアプリコットスフレ。最高だった。
●CIAのショップでクッキングブックや調理器具などを購入。お菓子作りの好きなスジャータにも「最新技術が生かされた」シリコン製ベーキングシートをお土産に買う。このあと、ナパのファクトリーアウトレットでショッピングをして、空港そばのホテルを目指すのだった。さて、明日はいよいよマンハッタンだ。