母の日の午後。シカゴから戻ってきたわたしたちは、その天気のすばらしさに、引っ張られるようにして、休む間もなく外へ出る。カテドラルの隣の森は、木漏れ日が降り注ぐ緑の海。見上げるほどのアジサイの木。妖精がひそむ草花のざわめき。 瑞々しいシャクヤクのつぼみは、1時間あまりののちにはもう、花弁を開いている。なにもかもが、今日この日限りの光景。明日にはもう、同じさまは見られないのだ。この瞬間の息吹は。
CATHEDRAL HEIGHTS
たいへんな速度で春が駆け抜けてゆく
MAY 8,
2005