APRIL 10, 2004 

 

APRIL 9, 2004 

 

APRIL 8, 2004 

 

APRIL 7, 2004 

 

APRIL 6, 2004 

我が家の近所にはリスが多い。庭を、野原を、木々を、すばしっこく駆けめぐるリスたちは、なじみの動物。
今日も散歩をしていたら、
芝生の広場で木の実を食べるリスたちを見かけた。
人間が近づくと、一目散に跳ね飛びながら、リスたちは逃げてしまう。

でも、このリスは違った。わたしが近づいていくのに、逃げもせず、わたしを見ながら餌を食べていた。
わたしがカメラを取りだしても、
逃げる様子を見せない。
それどころか近寄ってきて、
を向いたり、を向いたり、まるでポーズをとっているみたいに。
さらには、わたしを追うように、
歩道にまで走り出てきて、わたしの足許をクルクルと回り、
そして最後には、まるで名残惜しむかのように、わたしを
見送ってくれたのだった。
前世で、ご縁でも、ありましたでしょうか。

 

APRIL 5, 2004 月夜

いつまでも暗くならないので、夕飯の準備もせずに原稿を書き続けていた。
ふと気づいたら、8時近くになっていて、いけないサマータイムだった、大急ぎでお米を仕込む。
今晩は、一口カツと、インゲンとガーリック、鷹の爪の炒め物と、トマトのサラダに野菜スープ。
赤ワインを飲みながら、気分よくトンカツを揚げるそのうちにも、電気釜がピーッと炊きあがりを知らせ、
夫の「タダイマ〜」が、換気扇の音に紛れて聞こえ、なにもかもが、ちょうどいいタイミング。

食卓を調えながら、窓の外を見やれば、なんて大きな満月。
今日もまた、冷たい風が吹き抜ける一日だったけれど、この満月は春の月。
食事を終えるころには、ずいぶんと上の方まで上っていて、今は窓の右上端に小さく。

 

APRIL 4, 2004 今日もまた

今日から、サマータイムだ。部屋中の時計を1時間進めながら、いつも、特別なときめきがあるこの日。
春から、突然夏になる季節。日が長くなる喜び。
今日はピクニックの約束をしていたけれど、風が強くて冷たくて、朝から晴れたり曇ったり。
だから部屋でピクニック。友人カップルが持ってきたアペタイザーと、わたしが用意した手巻き寿司。
ビールやワインを飲みながら、笑ってばかりの
楽しい午後
夕暮れ時、彼らを連れて、また
ケンウッドに行った。昨日歩いたところよりも、更に向こうまで歩いた。
どこまでも、どこまでも続く桜並木。曇り空のもと、寒さに首をすくめながら、この桜はまるで雪。
木の幹から、手品みたいに
ポコポコと花を咲かせるおかしな桜の木もあって。
風が強く吹くものだから、花びらじゃなく、花そのものまでもが、ちぎれて舞い飛ぶ。
366日のうちの、わずか10日ほどの桜花なのだから、どうかそんなに吹き付けず、しばし、穏やかに風よ。

 

APRIL 3, 2004 サクラ密度の高い街

噂には聞いていたのだ。DCから、メリーランド州に入ってすぐのところにあるその街の桜のことは。
毎年、タイダル・ベイスンや、近所の桜を眺めるだけでもう、十分なほどだったから、行くことはなかった。
けれど今年は、先週末に、もうタイダル・ベイスンに行ったので、今日はその街、ケンウッドに行った。
ブルックサイド通りに入った途端、あたりは桜だらけだった。その住宅街すべてが、桜に埋もれていた。
いろいろな人々が、にこやかに、穏やかに、花と戯れているを見ても、を見ても、桜だ。
近所の子供たちが、訪れる人々らに、手作りの
ブラウニーや、ジュースなどを売っている。
満開にはまだ早い、つぼみのある
その枝に触れ、かすかな香りを嗅いでみたり、記念撮影をしてみたり。
街路だけではなく、それぞれの家の、それぞれの庭で、
が、枝垂れ桜が、風に揺れている
タイダル・ベイスンの桜も、ここの桜も、すべては日本から贈られた桜が、こうして今に息づいている。
こんなに大切に育てられて、たくさんの人々に愛でられて、桜も桜冥利に尽きることだろう。
どこまで歩いても、
どの角を曲がっても、桜があって、いつまでもいつまでも、長いこと、歩いた。

APRIL 2, 2004 ピクニック

去年の冬。夫が会社から、クリスマスプレゼントをもらってきた。
それは、バックパックのピクニック用食器セットだった。防水加工のマットもついている。

あさって、もしも暖かな晴れの午後だったら、
友人らとビショップガーデンでピクニックをする約束をしている。枝垂れ桜の下で。
だからそのときに、初めて使おうと思う。
新緑のころになったら、ロッククリーク・パークをサイクリングするときに持っていこう。
あるいは、国立樹木園をツツジを見に行くときに持っていこう。

外に出るのがうれしい季節が、どんどん近づいてくる。

APRIL 1, 2004 ニュース

朝起きて、すぐに新聞を取りに行くのをやめて久しい。
目覚めて最初に、目に飛び込む写真が、気を滅入らせる。それはよくないこと。
ヨガをして、シャワーを浴びて、朝食を食べるころになって、ようやく玄関のドアを開く。
今日もやっぱり、いやな写真だ。橋の欄干に吊された、米国人の焼け焦げた死体。
それを笑顔で見守る、イラクの人々。新聞を、目に付かない場所に置いて、食事をする。

4月1日。けれど、これは嘘ではない。世界はどうなっていくのだろう。
いつまでも、どこまでも、永劫続く、殺し合い。
わたしはただ、テーブルの上の、花を見つめている。

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