MARCH 31, 2004 心のまま |
4050gで生まれた。縦横大きかった。よく男の子と間違えられた。大人のひとから「タイカクノイイお嬢さんですね」と、判を押したように言われた。「可愛い」に相当する褒め言葉だと思っていた。「体格がいい」という言葉の意味を知ったとき、少し傷ついた。廊下のまん中を、風を切って歩いていた。体育会系だった。大学祭では「ミス・パワフル」に選ばれた。「お前んこと、友達としか、思えんったい。」同じ台詞で何度か振られた。声がでかい。態度がでかい。ときにうるさい。つるむのが苦手。一人いても平気。そんなわたしだが、ふわふわしたもの、はかなげなもの、優美なもの、凛としたものが、好きだった。自分には似つかわしくない感性だと思っていたが、そんなことなかったと、大人になった今、思う。外見と内面のバランスなんて、人それぞれだ。第一、この国には、わたしよりも体格がよくて態度がでかい人がごまんといる。わたしなんて、キュートな部類だ。 ああ。寒さに震えて羽を膨らます、まるで小鳥のようなチューリップの、なんてかわいいことだろう!!! |
MARCH 30, 2004 どの花みても |
きれいだな。 |
MARCH 29, 2004 贅沢 |
桜咲くところでは、咲いている間は、桜を思わずにはいられない、桜の威力。 早めに帰宅した夫と、ビショップガーデンを散歩する。わたしたち以外、誰もいない、今日は静かな庭。 |
MARCH 28, 2004 小畑さんへ |
今年も一緒に桜を見に行って、それから温泉に行こうねと約束していたけれど、もう桜は開いたよ。今日はまだ7部咲きだったから、あなたと見た去年の桜の方が、ずっと満開できれいだった。でも、空は今日の方が澄み渡っていたかな。たまたま桜祭りのオープニングで、灯籠に灯をともすセレモニーがあって、加藤大使が演説してたよ。それがまた言わずもがなでさ〜。あなたと一緒に、辛辣な言葉を吐きたかったわ〜。今日は風が強くて髪が逆立ってるけど、記念撮影してきたから。去年と同じルートでタイダルベイスンを半周したよ。去年はあのあと、ジョージタウンでタイ料理、食べたんだよね。今日はアルヴィンドが寿司が食べたいっていうから、日本食レストランに行ったよ。しかし、あのときは、あなたもわたしも、よく食べたね〜。温泉宿の朝食をたっぷり食べたあとに、DCに戻ってきて、シーフードのブッフェランチだもん。デザートまで食べたし。もう、あなたがこのページを見られないのはわかってるけど、あなたが夢の中で見られるように、祈りつつ、いつものごとく「気」を送るわよ。そういえば、わたしが「気を送る」と言ったら、よくあなたのコンピュータの調子が悪くなったって言ってたわよね〜。やっぱりわたしのせいだったのかしらん。悪かったわね、送り方が下手で。今度はちゃんと、あなたに直接、届くように送るから。わたしが今日見たきれいな風景を、あなたにプレゼントします。 |
MARCH 27, 2004 花のある場所で |
午後遅くから、雲が晴れ始めた土曜日。ジャケットさえも要らないような柔らかい風。 映画を観て、C&O運河沿いを散歩。半月が、雲間から見え隠れしている。 |
MARCH 26, 2004 日本を思う春。 |
暖かな午後。しばらく日本に帰っていた友人とランチ。お気に入りのピッツェリア、2AMYSに行く。 気持ちのいい春風のなか、カテドラルを散歩し、ビショップガーデンの芝生で、日本の旅のことを聞く。 |
MARCH 25, 2004 ガーリック! |
丸ごとのガーリックを、頭の方だけ切りそろえる。 |
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MARCH 24, 2004 櫻 |
万延元年。1860年。羽織袴にちょんまげ姿、刀をさして歩く日本人らが、ワシントンDCを訪れた。 |
MARCH 23, 2004 懐かしい店 |
マンハッタンにいたころは、本当に外食が多かった。デリバリーも多かった。 二人で暮らし始めてからは、週末以外、たいてい家庭料理を食べるようになって、 |
MARCH 22, 2004 東西南北の人 |
思えばマンハッタンにいたときも、東に面した部屋に住んでいた。 そしてワシントンDCにいる今も、東に面した部屋に住んでいる。 360度、まっさらな大地。冷たい春の風が吹きすさぶ、吹きすさぶ。この空には、次々と、飛行機が飛ぶ。 わたしはまたも、東西南北の人になろう。 |
MARCH 21, 2004 5000年を超えて |
5000年前のインドと、現在の米国。
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MARCH 20, 2004 たとえ |
青空の土曜日。 毎年、同じように。 |
MARCH 19, 2004 まもなく緑 |
近所にある雑木林。 けれど、あと1カ月もすれば、枝という枝から、一斉に新芽が吹き出すだろう。 生い茂る葉に遮られ、遠くまで見えなくなり、けれど深さを偲ばせる、そこは鬱蒼の森となる。 |
MARCH 18, 2004 プチ・エクレアシュー |
そんなにいつも甘い物を食べるわけではないけれど、夫はエクレアに、常時、恋いこがれている。 |
MARCH 17, 2004 カムサ(感謝) |
エリザベス・アーデンのレッドドアとか、リッツカールトンのカリタのサロンとか、 |
MARCH 16, 2004 インド |
しとしとと、雨の降る日。心が鎮めたい午後、久しぶりにお香を焚く。 白檀:仏様に多く使われております清浄なる香木 その紙片を読んだだけで、すでに心が安らぐようだった。 |
MARCH 15, 2004 花の樹 |
月曜の午前中は、掃除洗濯。アメリカでは洗濯物を外に干さないから、雨でも曇りでもいいのだけれど、 夜。ほんのりと洗剤が香る、パリッとしたシーツとブランケットの間に滑り込む瞬間の気持ちよさ。 |
MARCH 14, 2004 有り難きミルク粥 |
こうしてカメラに収めると、ちっともおいしそうに見えないのが気の毒なミルク粥。 |
MARCH 13, 2004 幸せブランチ |
青空の朝。土曜の朝。ヨガをしたあと、雑誌を読みながらゆっくりと半身浴をして、ブランチの準備をする。 |
MARCH 12, 2004 花の香りに包まれて |
夫と散歩をしてたとき見つけた。こんな大きなフラワーショップがあることを、丸二年、気づかずにいた。 たとえばこういう店の一画に、ティーハウスなどがあったなら、毎日のように通うのに。 |
MARCH 11, 2004 違う。 |
近所のスーパーマーケットに売られていたポメロという柑橘系のフルーツ。 ここ数年、YUZUは、アメリカの、たとえば少し洗練されたアジア料理の店やコンテンポラリー料理の店の、 でも、これは、どこからどう見ても、柚ではないのだけれど。 |
MARCH 10, 2004 いつも |
たとえ下界が、雨だろうと、嵐だろうと、吹雪だろうと、竜巻だろうと、 まるでお構いなく、いつもここは青空。 眩い光の渦。 |
MARCH 9, 2004 マックスたちの家に行く。 |
今夜は夫の大学時代の友人マックスと、その妻カラの家に招かれていた。夕方、夫がどうしてもMITのアイスクリームを食べたいというので、冷風が吹きすさぶハーバード・ブリッジを越え、MITのキャンパスにあるカフェに行ったけれど、店はクレープ専門店に変わっていて、今日はアイスクリームがなかった。意気消沈した夫だったが、ハーバードスクエアで、別のおいしいアイスクリーム屋を見つけ、脇目もふらず店に入る。いつものごとく、まるで重大な決定を下すかのような顔をして数種類を味見し、フレンチバニラとコーヒー・ピーカンを1スクープずつ選ぶ。おいしかったけど寒い。タクシーで彼らの家へ行く。科学者カラは研究室での作業が長引いているらしく、マックスが夕食の準備をしていた。我々は持参のスパークリングワインを開ける。イタリア人のマックスは「イギリス人のイタリアンレシピを使うのは癪なんだけど……」といいながら、ジェレミー・オリバーの本を見ながらアーティチョークとセロリのアペタイザー、スパゲッティ・カルボナーラを作っている。冷蔵庫からチーズをドサドサと取り出し、パンを手荒く切り、「食べてて」とマックス。なんだかピクニックみたい。アシアゴチーズが特においしい。やがてカラも帰宅し、皆でテーブルを囲む。二人の新婚旅行先はアイルランド。自転車で800マイル、走ったらしい。マックスの最長記録はイタリアからアルプスを越え、北欧に至る5000マイル。いつかイタリアからインドまで走るのが夢らしい。そんな話をしつつ。こっそりと、ネコも聞き耳たてている。 |
MARCH 8, 2004 冬の日 |
特別な静けさを感じて、カーテンを開いたら、雪が降っていた。毎度、悪天候を呼ぶ我々。夫がカンファレンスに出かけた後、雑誌を読みながら半身浴をする。新聞も雑誌も、マーサ・スチュワートの記事ばかり。本当におかしな裁判だ。ソープオペラみたいな事件。広い出窓にクッションを置いて、フルーツを食べながら、またしばらく新聞を読んで、それからコンピュータに向かって記事を書く。やがてランチタイムになり、夫から電話。雪の中、カンファレンス会場のホテルまで歩き、リーガル・シーフードでランチ。クラムチャウダーなど。夫は聞いてきたばかりの「ナノテクノロジー」について、自分の頭を整理するかのように、しゃべり続ける。彼が会場に戻った後も、わたしはエスプレッソを飲みながら、眺めのよいその席で、しばらく翻訳をする。それからショッピングモールを歩き、ホテルに戻り、また翻訳をして、ベッドにごろんとするうちにも夕暮れ。東南アジア料理店で夕食。モヤシやキュウリ、厚揚げにピーナッツソースがかかったガドガドがおいしかった。雪が舞い降る帰り道。「ねえ、ミホ。この橋を渡ったらすぐだから、MITまで散歩しようよ。キャンパスに、おいし〜いアイスクリームショップがあるんだよ!」アイスクリームのために、母校へ行きたいのか。夫よ。しかも、こんな寒い夜に。却下して、ホテルに戻る。心地よいベッドで眠る夜。夢の中に、なぜか松井秀喜選手が出てきて、愛を告白される。とても鮮明な映像。わたしは、夫と彼のどちらを選ぶか悩んでいた。我ながら、いい加減にしろ、と思う。 |
MARCH 7, 2004 ボストンに来ています。 |
朝DCを発ち、午前中のうちにボストンに着いた。欧州風のブティックホテル、THE
ELIOT HOTEL。 |
MARCH 6, 2004 春サンド |
午前中はどんよりとしていたのに、午後からみるみる晴れ間が広がり、雲と空が本当にきれい。 ヨガをして、シャワーを浴びて、すっきりとした気分で、ブランチを用意する。 |
MARCH 5, 2004 春の匂い |
最近はずいぶんと暖かいので、書斎の窓を開け放ちて、仕事をしていた。 今日、外に出て、植え込みを見てわかった。香りの源は、これだった。 |
MARCH 4, 2004 カラー |
祈らずにはいられないようなできごとがある。そのことを考えながら、花屋に並んでいた花を眺めていた。 夕方、仕事を終えて帰ってきた夫に、花を指し示す。 「うわあ、きれいなチューリップだねえ!」 この人と出会って、本当によかったと思う。 |
MARCH 3, 2004 散歩日和 |
とても天気がよかったので、バスを使わず歩いて出かける。 冷たい冬があるからこそ、この春の訪れが、ことのほかうれしいのだ。 この枯れた雑木林も、あと2カ月もすれば、鬱蒼とした緑になる。 |
MARCH 2, 2004 春 |
今日は、歩いていると、汗ばむくらいに暖かだった。 春が来ている。本当にうれしい。 枯れ木にも、春の息吹が詰まっている。 夕暮れの匂いも、春だ。 夕暮れの空も雲も、春だ。 |
MARCH 1, 2004 アフガニスタン |
近所のスーパーマーケットで買った、長くて平べったくて大きいパン。 このパンは、インド料理に合うので、時々買う。自分でナンを焼くこともあるけれど、この方が何しろ手軽。 アフガニスタンのパン。アフガニスタンの人たちは、たっぷり食べられているだろうか。 |