牧草地帯を、シェナンドアの山並みを眺めながら、ワシントンDCへ向かって走る。 大地に横たわる滑らかなハイウェイを走るのも、巨大なトラクターと行き交うのも、なにもかもが、アメリカ。もうすっかり日常になってしまっていた、この国の大らかさが、なんだかとても愛おしく思える。 20歳のとき、初めてアメリカ大陸に降り立ち、広大無辺の大地を目にしたときの得も言われぬ感動を、鮮やかに思い出す。あのときわたしは、この広い大地に、ぶるぶると心を揺さぶられた。 もっとこれからも、色々な場所を走りたい。もっと色んなところへ行きたい。来年も、再来年も、5年後も10年後も……。
●東に向かって、家へ帰ろう
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